CASSHERN Sins -キャシャーン Sins- 第17話「ガラスのゆりかご」
花が咲いていると笑う二人の子供と、それを見守る身重の母。
「掛け替えのない命が、ここで花開くのを待ってるのよ」
大きなお腹をさすりながら母は優しく微笑む。
きっとこれはレダの見た、そして叶わなかった夢……
ルナの生まれた場所を訪れたレダとディオ。
レダは自らの捨てた筈の過去の記憶を思い出す。
ルナを産んだという科学者が本当にいるのか、穏やか過ぎる事がキャシャーンの不安を駆り立てる。
「ふふふ。あんた、本当に変わったよね」
「心が、落ち着いてきた証拠だろう」
リューズとオージにそう評価されたキャシャーン。
その時突如、水際で遊んでいたリンゴが倒れてしまう。
足が急に固まったというリンゴに靴を履かせるオージは、心配するリューズたちにちょっと疲れただけだろうと心配しないように告げる。
「リンゴね、毎日大きくなってるから、だから、転ぶ事もあるの」
そう笑うリンゴ。
日々成長する、それは彼女が人間であるという証ですね。
ルナの生まれたというその場所は、かつてレダが夢を抱いていた場所でもあった。
赤い水。その中にひっそりと佇むピアノと向き合うレダ。
「ここには愚か者がいたのよ」
「愚か者?」
「そう、儚い夢を見るのは、愚か者のすることよ」
それは自分自身の事なのだろう。
キャシャーンたちはルナを作ったのと同じ科学者が作り出した3人のロボットの子供達、ホート、ホーティ、ホールターと出会う。彼らはルナを母であり姉だと語る。
ホートが花を差し出し、子供達と友達となったリンゴ。
ホールターは口がきけない代わりに正しき瞳を持つのだと言う。
彼らを作り出した父親について問い掛けるが、その科学者はずっと昔に死んだと言う。
ホールターは家から長い間離れると生きる事が出来ない。
自分たちは失敗作だという子供達に、リンゴはそんな事無いと否定する。そのリンゴを正しき瞳でホールターが見詰める。
家に帰った3人の子供たちを出迎えるレダとディオ。
レダは子供達に優しく接し、ルナを知るという子供達にルナの居場所を問い掛けるが、直ぐになつくホートとホーティだが、ホールターだけはレダに対して怯える。必死に二人に警告しようとするホールターだが、口のきけない彼には二人を止める事は出来ない。
ルナの情報を引き出す為、子供に上手く取り入る事が出来るのは、やはり元々母となるために作られた存在だからなのか。
「ガラスのゆりかご」
子供達に案内された部屋で呟くレダ。
科学者が大切にしたものがあるかもしれない部屋、そこはルナに入る事が禁じられた部屋でもあった。
「愚かな夢」
部屋の中心にある装置を見たレダは、自らのお腹をさする。
ガラスのゆりかごを見たレダは子供に未来を託す事を愚かで許せない。何か遠い物を見つめるように語るレダの言葉がディオにはわからない。
ほんの一瞬でも儚い夢を見た自分が許せないのだというレダ。自分が最も美しく誇り高いと主張し、突然態度を豹変させる。
ルナと科学者の二人の隠した秘密を教えろと迫るレダに、ディオは風に当たると立ち去る。
何も知らないという子供達に、レダは自分のために教えろと告げる。
ホールターは一人その場から逃げ出して、キャシャーンたちのところへと向かう。
ルナたちがここで何をして、何を残したのかと問いつめるレダは、ホートを剣で脅す。
「待って! お父さん言ってたわ。
誰の事も愛さないものに永遠はないって
だから、誰かを愛しなさいって。
そうすれば永遠の命を得られるって」
「愛?」
「そう言ってた。
だからお姉さんも誰かを」
「愛しているわ!
……誰よりも私自身をね」
ホーティの言葉を表面的にしか受け取らないレダはホートを人質として情報を手に入れようとするが、そこにキャシャーンが駆けつける。
ここではロボットが子供を作るための研究が行われていたのか。だからレダもここにいたのですね。しかし結局上手くいかず、レダは夢と存在価値を奪われてしまったのですね。
レダの部下を一瞬で倒したキャシャーン。
永遠の美を手に入れるのは女である自分だとキャシャーンに戦いを挑むレダ。
レダの攻撃にたいした反撃もせず、防戦一方のキャシャーン。
キャシャーンを傷つけるレダ。
「私だけが美しい、私だけが生き残る……私だけが!」
叫ぶレダに反撃したキャシャーンの攻撃がレダの頬を傷つける。
自分に儚い夢を見せた科学者たちのように彼らを消すと宣告するレダに、キャシャーンはレダを可哀想な奴だと呟く。
キャシャーンに怒りを滾らせるレダだが、ディオがキャシャーンを倒すのは自分だと彼女を留めると、彼女を連れてその場から立ち去る。
ホールターの目がたびたびリンゴを見詰めて光るけど、怪しさがないのは表現のうまさなのだろうか。
二人が去った後に声を上げるとリンゴの手を掲げるホールター。
リンゴがホールターの正しき瞳に選ばれたのだと知ったホールティとホートはプレゼントをあげると告げ、互いの胸に手を当てると光り輝くと、その姿はもはや動かぬ存在となっていた。
「大丈夫。二人は眠っただけだよ」
驚くリンゴに対して、これまでと一転して落ち着いた口調で語り始めるホールター。
「キミに、僕たち兄弟が守ってきた物をあげる。
お父さんが残してくれた宝物だよ」
「ホールター、アナタ」
「待ってたんだ。
ずっと……ずっと……
子供で居るのが辛くなるくらい長い間。
だからキミと出逢えて本当に良かったぁ」
ホールターは自らの体内より取り出した光り輝く物体をリンゴに差し出す。
「ボクは長く生きすぎた。これでようやく眠られる。
お休み……リンゴ」
そして他の2体同様に動かなくなるホールター。
オージは自らのやるべき事を見付けたと、リンゴとの別れを告げる。
ホールターが差し出したもの、それはルナのナノ細胞そのものだった。それを使えば滅びを阻止出来るかもしれない。
ここに残ってみんなを救う為の研究を始めるオージは、リンゴにキャシャーンと共にルナの下へと向かうように告げる。
それを泣いて拒むリンゴだが、オージは「泣くな。少しの間だけだ」とリンゴを優しく諭す。
オージの説得に応じたリンゴは、次に合う時はもっと大きくなってると約束する。
ナノ細胞を見詰めるキャシャーン。
「本当にルナはいるのだろうか。
……ふと、そんな気がした」
嫌な予感を残して締めました。
あのルナは偽物という事だろうか。
それともなにか 特殊な存在なのか。
己の決めた使命は枷となり、
真実の思いとの間苦悩する。
次回 第18話「生きた時これからの時間」
次回はリューズのターン!
リューズの前に死んだ姉リーザや恋人とやらが出てくるようだ。
姉への思いと、キャシャーンへの思い、過去と現実の狭間で苦しむというところだろうな。
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