続 夏目友人帳 第8話「不死の想い」
今回は夏目貴志が北本篤史、西村悟と宿題合宿に行くというもの。
夏目が友達と旅行に行くというのがよっぽど嬉しいのか、藤原塔子さんは大量のお菓子を夏目のために買ってくれてます。
とてもじゃないけど一泊で食べる量ではありません。
にゃんこ先生、入らなかったポテトチップスを「世話の焼ける」とか言いつつ、めちゃくちゃ嬉しそうに食べてるんですけど……
旅館へ行く途中の池で、夏目は妖怪を目撃です。
民宿御石荘。
かなり大きな民宿みたいですが、夏目たち意外にお客がいないよね……時期的に観光シーズンじゃないからとかなのか。
そして荷物に紛れて密航していたにゃんこ先生。
ポテトチップスが入らなかった荷物に紛れ込んだという事は、お菓子の一部を食べてしまったという事でしょうか。
宿の女将さんは千津という老婆。
この人以外に出てこないのは、彼女一人で経営しているのでしょう。
老後の片手間? 夏目の顔を見てビックリしていたので、てっきり夏目レイコを知っている人かと思ったら違いました。
北本と西村、そして夏目……三人寄っても文殊の知恵にはなっていません。
ダメやん! せめて委員長とか、頭の良さそうな人にも参加して貰わないと、意味がないんじゃ……
お菓子はどうやらほとんどにゃんこ先生が食い散らかしたご様子。もしかしてこの為についてきたのか?
夏目にとって、友達とお泊まりなんてそれこそ始めてなのかもしれないな。
宿の池にいた鮒が瞬きして、夏目もにゃんこ先生も大慌て。
ま、普通の魚は瞬きなんてしないからね。
その夜に案の定、友人帳を狙って人魚が襲いかかってくるも、にゃんこ先生に尻尾を噛まれて大騒ぎ。しかもタヌキ呼ばわりです。
千津さんが夏目の騒ぎに気付いて、やってきた事で、人魚は逃亡。
千津さんの雰囲気が千津さんの探している人物に似ている。
幼い頃に人魚に会った事が会った事があり、ある男性に飲ませてしまったらしい……
翌日、またも妖の気配を感じた夏目は、忘れ物をしたと嘘を吐いて引き返す。
藪から現れて友人帳を置いていけ、と迫った人魚を思わず殴り飛ばす夏目。
相変わらず夏目の実力の程が不明。昨日はあっさりとやられていたのに、今回は簡単に殴り飛ばしたり。
普段は手出ししたくないだけなんだろうが、どの程度の実力なのか。
少なくとも、この前の額傷の妖怪とか、斑には及ばない実力というのは確かで、レイコよりは弱いのだろうけど。
殴ったところをタオルを冷やして当ててあげる当たりは、相変わらずお人好しです。
ま、この人魚からはそれほど強烈な悪意を感じなかったからなのでしょうけど。にゃんこ先生もあまり警戒していないし。
そんなある日、夏目は駅でばったり千津さんと再会。
死ぬ程ビックリされて、逆に夏目の方が驚いてますよ。
捜し人のケイイチという人物を、ここで見かけたという目撃情報を得たらしい。
千津が幼い頃に面倒を見て貰っていた人物で、身体が弱かったらしい。
嵐の夜に病状が悪化したので、千津は池に棲むという人魚に血をもらいに行ったらしい。
優しい目をした人魚が血を分けてくれて、それをケイイチに飲ませたという千津。
夢を見たという周りの大人と、遠くの病院に行って命は取り留めたものの、そのまま戻ってこなかったケイイチ。
別れのショックから千津は人魚の事を忘却してしまったが、旦那が死んで、自分もあの世に行くのだと思った時に、思い出してしまった。
彼女の軽率な行動で、ケイイチが永遠に生き続けていたらどうしたらいいのか、と。
本当に不老不死になってしまった人間がいれば、永遠の時を過ごすというのは決して楽な事ではない。周りの人間が年老い、死んでいくのに、自分だけは死ぬ事がかなわないわけですから。
夏目はその言葉で、にゃんこ先生がこれまで多くの人間を見送ってきたのだと気付く。にゃんこ先生が人魚の肉を食えば不老不死になれたのに、と夏目に言ったのは、そうした想いがあったからなのかもしれないね。
人魚捜しに行く夏目に、七辻屋のまんじゅうに釣られて同行するにゃんこ先生。
姿を見せた人魚に、夏目はいきなり湖に飛び込んで抱きつく始末。話を聞きたいという夏目に、怒りを露わにして夏目を湖に沈める人魚ですが、にゃんこ先生がただ見ているだけなので、本気で殺すつもりがないというのを察しているんでしょうね。
人魚とは知らずに遊んでくれた幼い千津が血が欲しいというので、別けてやったが、他人に飲ませて心を痛めていると聞き、自分が苦しまなくて済むように自分が喰ってやると飛び去ってしまう。
何とかしたいと思ったのに、裏目に出てしまったと悔やむ夏目。
そして千津は駅でケイイチそっくりの男性を遂に目撃して激しいショックを。
千津に襲いかかろうとする人魚だが、千津が人魚の声を聞いた瞬間、動きが止まってしまい、そこを夏目に捕まえられる。
人魚は友人帳に名前が書かれていた。
「暇つぶしさ。友人帳を狙ったのも、夏目レイコと勝負したのも、あの子に血をやったのも、み~んなただの暇つぶし。レイコの孫か、美味そうだ」
牙を立てようとする人魚だけど、間一髪駆けつけた斑が夏目を救い、夏目は人魚に名前を返す。
人魚の名は『笹舟』
そして見える笹舟の記憶。何ヶ月もの間姿を見せなかった千津が嵐の夜に現れて喜んだ笹舟。友達になって欲しいと頼もうと考えていたものの、血が欲しいという千津に失望した笹舟は、血の代わりに葡萄の汁を入れた小瓶を与えた。
それを貰って泣きそうな笑顔で「ありがとう」と言われてしまい、笹舟は自分自身にも失望してしまった。しかしそれが結果的に良かったのだと知った笹舟は、夏目に「意地悪してゴメン」と伝えてくれと言いながら姿を消す。
しかしその直前にやってきた千津は、消えゆく笹舟の姿をその目に捕らえる。
あの時の変わらない優しい声を感じ取った千津。
笹舟が抱えていたのは信用したいと思った人間に裏切られたという哀しみ。しかしそれ以上に自分の事を信じてくれた少女を裏切ってしまったという、自分自身への失望感。
それがずっと彼女の中で蟠りとして残り続けていたのだろうね。しかしその行為は結果的に少女を救ったのだと知って、心が晴れた。
結果オーライです。
その後、夏目は駅で千津の見付けた人物が、ケイイチの孫だった事を突き止めていた。
本人は3年前になくなり、幸せな生涯だったという。祖父の話を聞く為、青年が千津の下にやって来る。
夏目は姿を見せる事のない笹舟に、また千津が会いに来ると言っていた事を伝える。
「いつも助けてもらえると思うなよ、夏目。
人には出来ない事が多い。
そのくせ、お前達はそれを忘れやすい」
「そうだな。非力さは痛感しているよ」
――でも、だからこそ……側にいたい、側に居て欲しいと願って。
――それが叶う貴重さを、みんな噛み締めて、生きてるんだ。
次回 第9話「桜並木の彼」
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