シャングリ・ラ 第24話(最終回)「理想郷土」
鳴瀬涼子が導きの森で美邦に天之御鉾を抜かせようとした時に現れた北条國子。
しかし涼子は美邦を人質として、國子に鉾を抜かせようとする。
涼子の口から語られる真実。
美邦と國子は姉妹である、と。二人の母親は生きていない。されど死んでもいない。二人は人工的に、意図的に作られた命だった。
やはり人工的に作られた存在だった訳か。
美邦は卑弥呼の遺伝子を受け継ぐ者達同士を掛け合わせて作られ、國子は卑弥呼のクローン。
草薙国仁は卑弥呼の子孫だった。草薙晴子には決して話さないようにと北条凪子たちが頼んでいたのだ。
後継者には揺るがぬ心と強い魂が必要だったが、国仁は優しすぎたため、後継者から外された。落ち込む国仁を、モモコが悪い事じゃないと慰める。
国仁だけは凡人なのは、単純な子孫だからなのか。
血の濃さの違いというところなんだろうな。
てか、國子は国仁の遠いご先祖という事か……
「全てはアトラスのため……」
呟く秦総一郎。
そういや、彼いたね。まだ死んでは無かったんだね。
凪子は涼子の身体がもう保たず、新しい身体を必要としており、その対象として美邦か國子を選ぼうとしているのだと語る。
突如起きる第8層での爆発騒ぎ。
武彦がダイダロスを利用して、爆発を起こしていたのだ。
「何が人を幸せにするアトラス計画だ。
人の命を犠牲にして築いたものなんかで……
幸せになれるはずがない!」
武彦らしい選択。
妹や多くの子供たちを犠牲にして作られたアトラスを破壊する道を選択したのだね。
今木烈音はこんな時に総一郎は何をしているのかと苛立つも、九土省吾は彼が自分の理想のために動き始めたと語る。
彼らの様子を携帯からモニターしている総一郎は、爆発騒ぎの情報を得て走り出す。
アトラスを護るため、武彦を止めに行ったのか。彼は涼子に従っているわけでも、タルシャンに従っている訳でもなく、ただアトラスのためだけに行動しているんですね。
なおも従おうとしない國子に、世界中を人質として従わせようとメデューサに世界の終焉を命じる。
国連システムを完全掌握したメデューサ。
メデューサを止めるかどうかは、國子次第だという涼子に従うしかなくなってしまう。
天之御鉾を引き抜いた國子。鉾が抜け、光が放たれる。
満足する涼子だが、一歩手遅れだと笑う。
各国から各ミサイルが発射され、メデューサは核の冬を起こすには充分だと感じる。
もう安心だと水門を開けるメデューサだが、激流が流れ込んでくる。
仮想空間の存在だからこそ、気付くことの出来なかったバーチャル世界だけの核戦争に騙されたのだ。
石田香凛が最後の瞬間にメデューサのシステムを書き換えていたのだ。
「ゴメンね。
アタシはパパとママと一緒にご飯を食べたかっただけ……
あなたは溺れたくなかっただけ……
どっちもアタシたちに残された希望だったのに」
「助けて」と叫び続けるメデューサは水の底に沈む。
溺れたメデューサの姿に膝を抱えてなく香凛。
香凛、最後の最後に手を打っていた様です。涼子すら騙した技。
涼子が御鉾やAAAに気を取られていたという事も、勝利の理由なんでしょうが。
世界を滅ぼす事は出来なかったが、新たな肉体を手に入れたと笑う涼子。
「我は倭の王にして不実の王、卑弥呼なり……なんて言うと思った?」
天之御鉾の柄をへし折ってしまう。
怒り心頭の涼子は美邦を撃ち殺そうとするが、ミーコの霊が現れて美邦を助ける。
ミーコすげぇ!! 幽霊になっても美邦を護るんだ。
國子は涼子の攻撃をかいくぐると、天之御鉾で涼子を貫く。
流石の涼子も身体能力では國子に勝てなかったようです。他の相手なら、身体能力でも引けを取らないのでしょうが、國子の身体能力は異常ですから。
長く持たなくなっていた身体も、御鉾の力一瞬でした。
あれだけやりたい放題だったのに、あっさりとやられたね。
アトラスは崩壊し、日本は滅ぶと予言を残す涼子。
「見くびらないで、アトラスがなくとも、人は生きていける。
灰の中からでも、私たちは立ち上がる!」
「理想だけで、生きていけると思うのか……」
「私は何もしないで、諦めたりはしない!」
「青いな……だがそれが」
涼子の肉体は干涸らびて消滅する。
國子の若さ故の発言。しかしその若さ故の信念の強さを涼子も最後には認めたという事でしょうか。
ゼウスが生体エネルギーを吸い上げて、卑弥呼を復活させようとしていた。
天之御鉾が持ち主であるゼウスの下へ帰ろうと振動を起こす。
生きていた小夜子が美邦も下に現れる。
「小夜子は美邦様がいる限り、絶対に死にません」
まさに不死身です。あそこから落下して、どうやって助かったんですか、君は。
「ねぇ、妹を頼んだわよ。
ちょっと、世界を救ってくるわ」
軽い口調で告げると、天之御鉾の戻ろうとする力でセンターシャフトへと戻った國子だが、御鉾はどこかへ行ってしまう。
どんなけ軽いのですか。
國子を待っていたモモコ、山崎友香、蒲郡由里の3人。
なんでこの二人まで……
まだ終わっていない。ゼウス本体を倒さなければならないが、武器がない。
しかし「こんな事もあろうかと」あらたな武器が用意されていた。
古河が作っていた巨大ブーメラン。
自爆システムのスイッチ付き。
「自爆は、男のロマンです」
そんなものいらねぇ……所詮古河も三爺の同類という事ですね。
「國子、忘れないで。
あなたを信じて待っている人が沢山いるの。
あなたは一人じゃない!」
「はい!」
相変わらずモモコさん、格好いいです。
ゼウスの元へ向かった國子の前に現れたのは卑弥呼。その姿は國子に瓜二つ。
「私!?」
「そう、私はお前、お前は私。
私は國子、お前は卑弥呼」
自分の目的を与えた國子たちに罰を与えると宣言する卑弥呼は、アトラスを使って龍門を開き、大地のエネルギーを循環させ、1000万の人身を人柱にして蘇ろうとする卑弥呼。
そういや、クローンなのに國子は髪の色が違うのですね……実は染めてるとか?
このままではアトラスの崩壊に全員が巻き込まれてしまう。
だが、凪子やセルゲイ・タルシャンは國子がやってくれると心配した様子を見せない。
アトラスに人の未来を託したのは間違いだったと考える武彦だが、総一郎は間違っていないと否定する。
アトラスを人類の希望だという総一郎。
アトラスを存続たせるためなら、どんなものの犬にでもなる。それは涼子でなくとも構わないが、アトラスのためにならない存在は絶対に許さない。
撃てと告げる。武彦を躊躇無く撃ち殺した総一郎だが、笑いながら倒れた武彦の背後にはダイダロスが存在していた。
ダイダロスは総一郎へと向かって攻撃、彼を蜂の巣にしてしまう。
「銃も立派な熱源だぜ……」
武彦は爆弾の起爆スイッチを入れる。
ダイダロスによる更なる苛烈な攻撃。
武彦、初めから自分も死ぬつもりだったという事でしょうね。
総一郎もアトラス計画が必ず人類の未来を作ると信じていたという事なのかもしれないが。犠牲を良しとするか、否とするかという価値観の相違でしょうか。
人の未来を笑う卑弥呼は、國子たちの未来を生け贄にして、自分の未来を築くと語る。
「自分たちの未来は、自分たちで決める!
そしてこれがこんなの生きたいという、
魂の力だぁぁぁぁ!!!」
國子は巨大ブーメランで大勢の卑弥呼を薙ぎ払いながら、ゼウスへと向かって投げつける。
沢山の天之御鉾に抑えられた國子を殺そうとする卑弥呼たち。
國子のブーメランがゼウス本体を切り裂き、卑弥呼たちの姿は消え、間一髪助かる。
そして天之御鉾もまた消滅する。
戦いは國子によって勝利。
せめてこの戦いに国仁も助けに入るぐらいの事があっても良かったのにね。
凪子にディグマ2がやってのけるという自身など無かった。ただ信頼しただけ。
孫として育ててきた國子だからこそ、信用出来たのでしょうね。
彼女の強い意志などを知っているから。
美邦の前に現れたミーコに喜ぶ美邦だが、ミーコの肉体は既に滅んでおり、美邦に仕える事は出来ない。
アトラスは存在を維持するため大勢の子供を犠牲にしていた。ミーコはこの子供達を連れて行かなければならないのだという。子供の中には水蛭子の姿も。
沢山の子供達の母親になったみたいだというミーコに泣く美邦と小夜子。ミーコは小夜子に美邦を託す。
「最後に、ニューハーフの魔法を掛けてあげます」
「……ミーコ」
「シンデレラの魔法使いの魔法は12時まで。
でも私の魔法は、ずっと、ずっと……」
もう行くと去ろうとするミーコについて行くと駄々を捏ねる美邦に、小夜子はワガママをいうのはいい加減にしなさいと、美邦を叱り付け頬をぶつ。
誰よりも美邦を愛している小夜子がこれから美邦の本当の母親だと告げて消えるミーコ。
「ミーコ、ありがとう……」
「これからはいつも一緒じゃ」
小夜子は初めて美邦を叱ったのでしょうね。時には叱り付ける事も愛情。
叱り付けた事で、本当の母親になれたというところか。
小夜子はこれまでずっと美邦のためだけに生きていたわけですしね。
爆発する第8層で、武彦は微笑みかける妹の霊を目にする。
武彦も妹と一緒にあの世へ旅立つ、という事ですか。
せめてもの慰め。
お金もメデューサも両親も、全てを失って落ち込む香凛の前に、張(チャン)と貧乏なクラリス・ルッツが姿を見せる。
「おやおやもう諦めるのかい?」
「世界は新しい経済体制に移りつつあるわ。
今こそ稼ぎ時でしょう?」
自家用ジェットを飛ばしてわざわざ会いに来た二人。
二人は香凛が想像したよりもずっと大人だった。
香凛に仕えていたアフロたちもこっそりと顔を見せる。
うわぁ、クラリスはかなり美人です。性格は金にがめついけど……
タルシャンが育てたカーボニストはみんな同い年ぐらいかと思っていたら、香凛だけが子供だったんですね。
そしてアフロたちもやっぱり香凛たちが気になっていたようですが、毟られたアフロが復活してる……サングラスは掛けたままだし、がっかりだ。
メデューサのシステムが納められていたハコ、そこにメデューサの子供が誕生していた。
今度こそ、間違えないように育てようと考える香凛。
お金儲けばかり考えて、メデューサを本当に大切にしていなかった香凛は、大切な家族になったメデューサを今度こそちゃんと育てる事にしたわけですね。
アトラスを脱出して地上に戻ってきた人々。
ドゥオモに住んでいた老夫婦はこれからも共に生きていく事を誓う。
最初から最後まで一貫してまったりのこの老人達……いつでも何処でもマイペースですよね。
烈音は紫音と二人で生きていく事を決意。
今木兄弟はブラコン過ぎるわ。
省吾は一人ではない生き方を選択する。
お姉ちゃんと生きていくという事でしょうか。
夢が潰えたというタルシャンだが、凪子は夢が潰えるのは命が尽きる時だと諦めようとはしない。
貪欲で諦めが悪い人たちなんですね。今度はどんな事を始めるのか……
若返っていたのは、あくまでイメージという事だよな。
美邦の力と病気をミーコが持って行ったため、光を浴びても平気になった美邦。
ミーコ、本当に凄いわ。
「良かったね、美邦」
「お姉様と呼べばいいのか?」
「好きに呼んで良いよ。
姉様でも、お姉ちゃんでも」
今まで通り「そなた」ではダメなんでしょうか……
やっぱり姉妹と判ったから、他人行儀というのは無しという事ですか。
これからどうするのか問いかける国仁だが、國子にはやりたい事が沢山ある。
やることは山積しているが、まずは居場所を作ること。
「100人いたら100通りの居場所がある。
それを作るの」
「大仕事だな」
「うん。けど、一人でも多くの人がそこにいたい、そこに帰りたいって思える場所を作りたい。
一人一人が笑えって過ごせる場所を
そして、それが……そここそが、あたしたちの理想郷土(シャングリ・ラ)」
国仁に満面の笑みを浮かべる涼子。
一応、今後は國子が東京での実質的なリーダーとして、みんなを引っ張って行くことになるのでしょうね。他の地方はどうなっているのか判りませんけど。
この状況で政治家達が当てになるとは思えないし。
ドゥオモの時計塔の鐘の音が鳴り響く……
そんな訳で最終回でした。
かなり怒濤の最終回。
正直、他のアニメより1週早いし、今回の話を2話に分割しても良かったのではないかと思えるほどの内容でした。
一通り複線は回収していたかな。
作画に乱れがあったり、ちょっと途中でまごまごした感じはあったものの、個人的にはそれほど嫌いではなかった。
最初はもって科学とか普通の話かと思っていたら、どんどんオカルト方面に話しが進んで驚いたのですけど。
それにしても終始一番格好いいのがオカマという凄いアニメだったよな……
で、結局、オカマの銀って……
あれか、最終巻のDVDの特典として収録されるとか!!
こちらはミラーブログになりますので、基本的にTBは本館(http://ameblo.jp/adam/)へお願いします
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