ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド #12(最終回)「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」
かつて、ツェペッシュの地下へと潜入した鏑木アキラ。
17歳の誕生日にミナ・ツェペッシュに仕える身となる試金石となると、父・ヴォルフガング・レーゲンドルフに言われて潜入したアキラだが、仲間は壊滅し、アキラ一人となった。
そこでアキラが目にしたのは、ミナにそっくりな少女たちが眠った棺の数々。
「見てしまったのね……」
そう語る少女の一人。次々と他の少女達は醜く朽ち果てていき、地下は燃えさかった。
「これで、残るは私とあの娘だけ」
アキラが自ら封じていた最後の記憶がとうとう蘇ったようだ。
遺産というのは何かの物体というわけではなく、寧ろ真祖の一族の秘密のようなものなのか。真祖の遺産というのはミナと同じく真祖の血を受け継ぐ少女たちだったという事か。何故こんな地下に封じられるようにして眠っていたのかは判らないが、ツェペッシュ家が滅びた場合には、彼女たちの誰かがそれにとって代わる役割だったのかもしれないな。
実は真祖の一族というのは、親子ではなく全て真祖の分身のようなものだとか。
夢にうなされるアキラを見守る“牙なし”の子供達。
意識を失った後、この子たちに助けられていたのか。
「行って参ります、姫様」
美刃(メイレン)はドロップ缶の中に籠められた弾丸を手にすると、一人戦いへと赴く。
姫様を助けてあげてと願う牙無しの子供たちと、姫様に恩を感じるヴァンパイア・バンドの地下ジオフロントに住む住人達の応援を受けて、アキラは戦いへと赴く。
かつて見た真実にミナへの忠誠が揺れるアキラだが、孤独に生きるしかない牙無したちを、ミナは世界中から集め、自分たちに生きる希望を与えれくれた恩人だと語る子供達の母。
「必ず帰ります! 姫様の下へ!!」
ミナの作り上げたもの、ミナの護ろうとしたものを感じて心を決めるアキラ。
そんなアキラに、子供たちの母はアキラが細胞転化阻害剤の効果が抜けきっていないから、注意するようにと忠告する。
実際には美刃の言っていたような精神的なものではなく、薬によって変身できなくなっていたという事。当然そうなると考えられる犯人は一人しかいないわけでが。
ミナはヴォルフガング、アルフォンソ・メディチ・ボルジアーニ、ヴェラトゥースに真祖の遺産について問いただす。
アキラの前に現れたローゼンマン配下の仮面の敵。
その正体は美刃(メイレン)。彼女は三支族のトップとミナが一堂に会する機会を窺い続け、纏めて灰にする機会を待ち続けていた。
彼女の本当の主はローゼンマンではない。
全てはミナにそっくりなもう一人の姫のため。
美刃がアキラに対して彼の事を本当に理解できるのは自分だけだと言ったのは、言葉どおりの意味だったわけだ。ミナに全てを捧げるアキラと、ミナに似た姫に全てを捧げる美刃。
互いに相手の気持ちは判っても、だからこそお互いに引く事も出来ないのか。
真祖の遺産についてヴォルフガングたちもローゼンマンたち三支族も詳しくは知らない。
知っているのは一部を垣間見て記憶を自ら封じたアキラのみ。
真祖の血であると信じる三支族。
つまりは自分達の延命のために、真祖の血を欲していただけ。
真実を知ってもたかが寿命の事かと笑い飛ばすミナは、アキラがその秘密を誰かに渡す筈がないと笑い飛ばす。
喩え拷問に掛けられようと、命の危険に晒され様話すはずが無いという絶対の信頼を置いているのか。彼らは真祖の血を手に入れれば、ミナを用済みと見做すだろうしな。
1年前にアキラを重傷に追いやったのも美刃。
個体数の少ない希少種として飼われるだけの存在だった彼女に、名前と自由と生きる意味を与えた彼女。
彼女を人もヴァンパイアもひれ伏する存在へと導くために戦う。
彼女こそ、テロメアの一員。
つまりはテロメアを率いている人物こそはもう一人の真祖の血族である姫様であったわけか。
アキラも、ミナが沢山いた彼女にそっくりな中の一人だろうと、自分が仕えるのはミナ一人だと心が揺らぐ事はない。
その思いは美刃と同じもの。
美刃は全てを消し飛ばすため、自らの身体にアグニの血を仕込んでいた。
あのときの弾丸がこれだったのだね。アキラを倒して三支族の所へ報告に訪れ、彼らを抹殺するのが目的だったのか。
人虎へ獣化する美刃、人狼へと獣化するアキラ。
激しい戦いを繰り広げる。
深手を負い倒れるアキラから目を背ける三枝由紀だが、ミナはアキラが必ず約束を守ると決して目を背けない。
ここが由紀とミナの覚悟の違い、思いの違いとして現れたという事なんでしょうか。
ミナはアキラを信じて、それを自分自身に言い聞かせて目を背けまいとしているのだろう。喩えアキラが死んだとして目を背けず、最後まで見ているのが主としての覚悟でもあるのだろうし。
「アキラ……どうして私たちの姫様は一人じゃなかったんだろうね」
自らの腕を犠牲にして美刃を打ち倒したアキラ。
殆ど同一と言っても良い相手でありながら、異なる相手に仕えてしまった二人。
少し違っただけで立場は逆転していたかもしれないし、同じ相手に仕えていたのかもしれないのですね。
アキラの勝利に無効だと語る三支族だが、配備された騎士団と予め準備していた光ファバーより、何時でも部屋に光を注げるようにしていたミナに、三支族は彼女を王と認め忠誠を誓わされる。
この場は忠誠を誓ったフリをして、また反旗を翻す可能性などはないのだろうか? それともそれがあったとしても退けるという決意の現れなのか。
三支族の前から辞退したミナはアキラの下へと駆け出す。
泣きながらアキラの下へ駆け寄ったミナに、アキラは笑ってくれ語り、意識を失う。
似たもの同士であったアキラと美刃との違いは、主からどう思われていたか、という点なのかな。
バンドの最下層にあるクレイドルにある花畑に造られた美刃の墓標。
アキラは自分が死ぬまで側にいて欲しいとミナに願う。
「側にいてくれ、姫さん。
俺の命が尽きる、その時まで……
ずっと、俺の側に」
「妾は、唯一無二の者ではないのかもしれぬ。
それでも良いのか?」
「俺の姫さんはあんただけだ」
「ならば、妾は今ここに誓おう。
妾かそなたか、どちらかが倒れるその時まで、妾の命はおまえと共にある。
それは悠久の時の中ではほんの刹那の事やもしれぬ。
だが、この誓いは永遠じゃ」
“「ずっと一緒にいる」
そう約束した少年に、魔物の女王も誓いました。
「いつまでも、側にいる」と……”
「踊ってくれるか、アキラ?」
「ああ」
“そして、その誓いは決して破られる事はありませんでした。
そう、物語の結末を向かえる、その時まで……”
“それは、一つの誓いの物語。
偉大な魔物の女王と、彼女に全てを捧げた一人の少年の、
永久の絆の……おとぎ話”
なんか、最後のエピローグだけ作画が違った?
ミナがどんな存在だろうと、関係ないという事。
彼女が沢山のクローンようなものの一人だろうと、ミナはミナであり他の何者にも変わらないという事。
そんな二人の絆の前に、由紀はほとんど空気でした……
そういや、最終回なのに学校の友人達やななみたちも出番ありませんでしたね。
**総括**
シャフトが遂に途中で一度力尽きてしまったアニメ。
とりあえず、シャフトはそろそろ制作体勢見直して下さい。
話はオリジナルをふまえつつも、シャフトアニメにしては珍しく結構オリジナル要素を盛り込んできた作品のようです。
続編は無くても大丈夫そうだが、続編を作る事も出来そうな感じで、DVDの売れ行き次第なんだろうか。
ヴァンパイアの扱いが少し判りづらさがあったかな。
次週からは一騎当千です。
もはやこのアニメ原作とはまったく別物になってるよな……
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