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2010年6月29日 (火)

化物語 最終回(第拾伍話)「つばさキャット 其ノ伍」

「いやにゃあ、人間。
 俺のご主人は、お前の事が好きにゃんだにゃ。
 ……だからお前がご主人と恋仲ににゃってくれりゃあ、俺は引っ込むことが出来ると思うんだが」

突然の障り猫の台詞にそれを冗談か、そもなければ勘違いだと否定しようとする阿良々木暦だが、ブラック羽川は自分がご主人様の事を間違える筈がないと断言する。
だが暦は別の女、戦場ヶ原ひたぎと付き合ってしまっている。羽川翼はそんな二人の関係を応援していたが、だからこそストレスが加速度的に溜まっていった。翼の性格で略奪愛など出来る筈もなく、おくびにも出さずにいるに違いない。
暦は現実から目を背けようとするも、ことここに至ってはもはや認めるしかない現実。
羽川本人でもあるブラック羽川が告げる以上は、間違いようのない真実。
自分の気持ちを押し殺して思いを告げる事もなく秘め続ける。それが羽川翼という人物。二人が付き合っていると知っていて、それでも自分の気持ちを優先して告白するなんて事が出来るような人間ではないよね。

いつからなのか、問い掛ける暦に、ブラック羽川は春休みからだと答える。
吸血鬼と暦との一件。その非現実的な出来事は、彼女の置かれている立場を打破してくれるようにも思えた。
もちろん、それは翼の一方的な思いでしかなく、彼女の立場を打破などしてはくれない。しかし彼女にとってはそれでも良かったのだろう。
自分が好きになった暦に、まさか恋のライバルが出現するなど予想だにしていなかった翼だが、彼の前に現れたひたぎは瞬く間に暦に告白して付き合うようになってしまった。
もしひたぎよりも先に翼が告白していれば、二人は付き合っていたのかもしれないが、結果は言わずもがな。少し捻じ曲がったところはあるものの、行動力というか積極性ではひたぎの方がずっと上だった。翼はライバルは現れないと思い、「いつか」と思っていたのかもしれないが、ひたぎの方は他の誰かに奪われたくないという強い思いからいち早く行動を起こした。二人の性格の違いが大きく現れてしまったのだろう。


「私、嘘なんかついたことないもの」

暦に言った翼の台詞。しかし彼女が暦に語った言葉全てが虚言。
ひたぎと付き合うようになった暦を祝福した言葉も、二人を応援する言葉も。
心の中では、暦のいないところでは泣き続けていた。届かぬ思いに苦しみ続けていた。
暦はそんな翼の思いを察する事が出来なかったわけだが、ひたぎはもしかしたら気付いていたのかもしれない。

暦は十数年積み重ねてきたストレスで誕生したブラック羽川が、たかが数ヶ月の恋心のストレスで同等のレベルに達する筈などなく、他にも要因があるのではないかと必死に別の原因を探り出そうとする。そんな暦に数ヶ月の恋が十数年の家族のストレスを越えて何が悪いのかと怒る。
「お前ひょっとして、真剣に人を好きになった事とか、ねぇんじゃにゃいのか?」
「あ」
「今その女と付き合ってるのも、ただ単に押し切られただけじゃにゃいの?
 だとしたら、さっさと別れて、ご主人と付き合ってやればいいにゃ」

「でも、それは出来ないよ、猫」
はっきりとブラック羽川の申し出を拒絶する。
人を恋焦がれる辛さがどれほどのものか、暦には確かに理解できていないのだろう。
だから撫子の気持ちなどにも気付けないのかもしれない。

猫の申し出を受け入れてしまえば、それは翼が恩義に対してつけ込ませることになり、そんな事はさせられないと告げるも、暦は直ぐに自分の言葉を否定する。それはただの言い訳でしかなく、真実は暦のひたぎに対する想いを偽る事が出来ないからだ。
「僕はあの性格を含めて、戦場ヶ原の事が好きなんだ。
 ……生まれて初めて、真剣に人を好きになったんだよ」

「ふ~ん。そうかにゃ」
初めて好きになった相手と直ぐに付き合う事が出来た、それが暦の幸運であるわけだが、逆に片思いの辛さを体験する事も出来なかったという事だ。
「それにさぁ猫。
 事情はどうあれ、お前を出したのは羽川の弱さなんだ」

自分自身の口ではなく、怪異の力を頼って想いを告げた翼。
彼女のような環境にありながらも、怪異に頼るのではなく、自分自身の力で立ち向かっている人も存在している。
怪異に頼るのはそうした人々に対する冒涜であると言い切る暦に、我が身を犠牲にして他の者を助けようとする暦の発言ならば仕方ないと受け入れるブラック羽川。

人の気持ちを変えられない事は前回で学んでいると告げる。
以前に翼が語ったように、吸血鬼の特性にあるという『魅了』のせいならば、彼女を責めるのは酷かも知れないと考えた暦だが、ブラック羽川はそれを否定する。
吸血鬼の魅了は暦に使えるレベルの能力ではなく、また人に恋心を芽生えさせるものでもない。相手の心を意のままにする操り人形のようなものだと告げる。
しかして暦に好意を寄せる少女たちは、みんな自分の意思というものを明確に持っている。それはつまり魅了ではなく、暦という人間に純粋に惚れている証拠。

暦がモテ始めたのは『魅了』のせいかもしれないと語ったのもまた嘘。正確に言うならば願望。自分が好きな暦を他の人も好きなのは、能力のせいであって欲しい、本当に暦を愛しているのは自分だけであって欲しいという願い。
「じゃあ僕は、誇ってもいいんだな……
 羽川に……好きになって貰えたことを」

暦は忍野忍を早く見つけ出さなければならないが、捜してくれている他の女の子たちからは連絡がない事を思い出す。千石撫子には撤収指示を出さなければならないなどと考え始める。
切替早いな。
つい今しがた間で羽川が暦の事を好きで、恋人になるならないと口にしていたのに。暦の中では既に解決事項なのか。猫の方が納得したかどうかの意思は確認していないと思うのだが。

そんな暦に、もう一つ自分を消す方法があると告げたブラック羽川は、暦を街灯の下へと歩かせると、突然背中から抱きついてエナジードレインをかける。
生命力を吸い取られて苦しむ暦。
ストレス本体である暦が死ぬ事で、ブラック羽川は消える事が出来る。
まぁそれは十分に考えられた事です。

GWで両親を襲ったブラック羽川が消える事が出来なかったのは、両親を殺さなかったからだ。同じ失敗は繰り返さないというブラック羽川は、確実に殺すと宣言する。
暦は血を吸われた事や、現在の状況にここで一つだけ見落としている。それはなぜ猫がわざわざ影が出る場所を選んだのか、という事。

命の恩人である羽川の願いならば、自らの死すらも受け入れようとする暦は、消えゆく意識の中でひたぎの事を思い出す。翼が自分を殺せば、ひたぎは決して翼を許さずに殺そうとする。そんな事をさせるわけにはいかない。
ひたぎなら本当にやりかねない。しかしここで翼に人殺しをさせたくない、と考えるのではなく、ひたぎに翼を殺させたくない、翼を死なせるわけにはいかない、という考えがやはり翼よりもひたぎへの想いが強いという証だろうか。
本当に大切な相手なら、いくら怪異の仕業だろうと、その相手に人殺しという罪を背負わせたくないと考えるだろう。

殺される事も、そして翼と付き合う事も出来ないという暦を殺害しようとするブラック羽川は、誰かに助けを求めてみるかと問い掛ける。
これまで人を助けてきた彼なら、誰かが助けてくれるかもしれない。
暦は人は勝手に助かるだけだから無理だと否定するが、ブラック羽川はそれはただの言葉でしかなく、大切なのは彼自身の気持ちであると語る。
「そりゃあ、人は1人で勝手に助かるだけだけれども。
 助ける側に、そんにゃ事情は関係あるのかにゃ。
 お前を助けたいと思っている奴が、一体どれだけいると思っている。
 それをお前は1人残らず、拒否するのかにゃ」

暦の願いを受けて、彼のために忍を捜し回る八九寺真宵、神原駿河、千石撫子。
暦が相手の望む望まざるに関わらず助けようとするのと同じく、暦のために何かしたいと思う者達もまた存在している。そうした人たちは助けを求めれば、応えようとしてくれる。理屈に縛られてそんな簡単な事実も忘れてしまってるのだね。

暦の首を締め上げるブラック羽川。
暦は翼の言葉で初めて自分が死ねばみんなが哀しむかもしれないと考えるようになる。
「助けて……助けて……忍」
暦が助けを求めた刹那、二人の影から忍が姿を現すと、ブラック羽川を蹴り飛ばして暦を助ける。そしてブラック羽川を抑え込むと、エナジードレインを行う。
そうして暦はようやく気付く。ブラック羽川がわざわざ影のある場所に立つように指示した訳を
殺せば確かに今の翼のストレスは無くなるかもしれないが、同時に暦を殺してしまった事が新たなストレスになってしまうだろうから、結局は解決にならなかったのだろう。それに自分のご主人が好きな相手を殺せるはずも無い。
障り猫の怪異であるブラック羽川には、最初から忍が彼の影にいる事が判っていたのでしょうね。しかしいつから彼の影の中に入り込んでいたのだろうか。ここにやってくる道中なのかな。

元に戻った翼の姿に、忍にそれ以上吸わないように頼む。
暦の言葉に従った忍は、再び暦の影の中へと姿を消す。同時に暦は彼女の想いにもようやく気付く。
撫子が言っていた暦やメメを見る目と、撫子たちを見る目が違うという意味を本当に理解したようだ。

夜明けを迎え、翼は意識を取り戻す。
「阿良々木くん……
 私との友情よりも、私に恩返しをする事の方がずっと大事だなんて
 そんな寂しい事、言わないでよ」

「……うん」
「……阿良々木くん。
 きちんと、しなさい」

「はい……」
これにて翼キャット一段落。

その後、やってきた駿河の助けを借りて自宅へと戻った二人。

翌朝、暦はいつものように阿良々木月火と阿良々木火燐のファイヤー・シスターズにプロレス技を掛けられて起こされると、学校へと向かう前に学習塾跡へと立ち寄った。
自分の影に潜んだままでいる忍を忍野メメの下へと送り届けためだったが、そこにメメの姿はなかった。
既に町を去ってしまったという事なんですね。忍が暦の影を居場所と定めたのも、その事が関係しているのかもしれない。

そして学校へとやってきた暦は、いつものように翼と何気ない会話を交わす。
「羽川に、どの程度の記憶が残っているのか。
 僕はまだ知らない。
 いつかは聞かなければならない事だが、それは今ではないだろう。
 羽川も心の整理整頓をする時間が必要である」

目覚めた時の会話の様子を考えると、ある程度は記憶が残っているのは確かなんだろう。
しかし恋心を抱いているという点については、暦からも何のフォローもないままなんだね。

自転車を駐輪場へと止めようとした暦の前に、ひたぎが姿を見せる。
「……お帰りなさい」
「ただいま」
「今度のデートは、阿良々木くんがプランニングしなさい」
「え!?」
「変な所へ連れて行ったら、皮を剥ぐわよ」
「了解……」
敢えて今回の一件について触れようとしないところがひたぎらしい。しかし皮を剥ぐって……
て、あれ? このタイミングはどういうタイミングなんだろうか?
暦が教室へ入る前じゃないよね。かと言って放課後というのはおかしいよね。クラスメイトのはずだから、教室で顔を会わせているはずだし。
改めて話をするのがこの時初めてなのかな。

──望むところだ。
──戦場ヶ原に今度は僕の宝物を見せてやろう。
──いつか、カニも……食べにいかなくちゃ。

放課後、ひたぎ・翼・駿河の3人を連れて学習塾跡へと向かった暦だったが、やはりどこにもメメの姿はなく、沢山の机なども無くなってしまっている。
昨日、メメが外にいたのは撤収作業の最中だったのだろうと気付いた暦。

別れの台詞も無しにある日突然姿を消すような事はしない、その台詞そのものが別れの挨拶だったのだと今になって気付く。
人との別れが何より苦手な、不器用な男の精一杯の親愛の証。

暦が忍を捜しに飛び出した後、わざと翼を開放した。
忍と翼の事を暦が1人で何とかできると確信して……

学習塾跡から立ち去る四人。
「まったく、アレだよな」
「そうね、アレだわ」
「アレだよね、実際」
「うん、あの人はアレに違いない」
「お人好し!」

これからも僕は、怪異に会うだろう。
でも大丈夫だ。
僕は知っている。
この世に闇があり、そこに棲む者がいる事を。
例えば、僕の影の中にも棲んでいる。
明日はいよいよ文化祭だった。
僕たちのクラスの出し物は……お化け屋敷。

当初予定より大幅に遅れたものの、なんとか無事最終回を迎えました。
ハッピーエンドというわけでも、大団円というわけでもないですが、これはこれでこの作品らしいというべきか。

今回は暦とブラック羽川のやりとりがメインで、大きな動きの少ないお話です。
でも顔芸が多かったよね。つーか、なんか全体的に作画の雰囲気が違ったような気もする。
アクションシーンも大きく動いたのは忍の登場したところぐらい。
最終回だから大きく盛り上げるのかというと、そういう訳でもなく。
しかし締めとして物語に区切をつける形をとったというところ。
これまで暦を助けてくれたメメが消え、これからは自分の力でなんとかしていくしか無くなった暦。
しかし今回の一件で、更に学んだ彼は怪異と関わりながらも、少しは付き合い方が変化していく事になるのだろうか。

最終回なのに、撫子と真宵は台詞なしか……
軽口のたたき合いなどもほとんど無しで、シリアス一辺倒です。

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取り敢えず、OPで一発抜いてから本編観ました [続きを読む]

受信: 2010年7月 9日 (金) 16時11分

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