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2011年1月 6日 (木)

屍鬼 第12~22話 「第悼と腐堕話~蔡蒐話」

12話~22話まで。
裏番組になっていたため、年末まで視聴できなかったのでネットにて視聴。

必死に抗うも起き上がった武藤徹の出現によって血を吸われてしまった結城夏野。
更にそんな彼を助けようとした田中かおりと昭姉弟の努力も虚しく、田舎暮らしに憧れて都会から田舎にやってきたと謳いながら、田舎の迷信だと馬鹿にした夏野の父のせいで結局死を迎えてしまった。夏野の母であり結城の内縁の妻・小出梓も屍鬼に血を吸われた感じがあったけど、結局どうなったのか。起き上がりの様子が描かれていないので、起き上がる事無く死んでしまったという事だろうか。
結城は最初から最後まで自己結局のところ田舎暮らしに半端に憧れてやってきただけの都会者で、内心田舎の人間を馬鹿にしていたのだろう。そんな彼の末路は人狼となった夏野の姿を見て精神崩壊という代物。ただエンディングではバスに乗って脱出していたので、最後まで生き残ったという事か。真っ当な状態かどうかはDVDにのみ収録されるエピローグのエピソードを見なければはっきりしないが。
夏野は原作ではあのまま死んでしまうらしいが、アニメでは人狼となった後、敏夫に力を貸して屍鬼と対立。最初から屍鬼を滅ぼした後は自分も死ぬつもりだったようだ。
最後はどこかからか調達したダイナマイトで辰巳を道連れにして爆死という最後を選択。
人狼になりながらも、起き上がりを許せないと言っていた彼が人間の側についたのは、別に人間の味方だからではなく、人間には何も期待していないというのもあるのか。山入りに火を付けたのも実は彼ではないのだろうか。最初からこの村の事を嫌っていたし、村を無くしてしまおうという発想をしても不思議ではないと思える。
しかし主人公でありながら、もっとも人間味が薄いのが彼ではなかったのか。

そんな夏野の人狼化に伴って救われる形の最後となったのが田中かおり・昭の姉弟。
父親は恵によって屍鬼にされてしまい、母もその父に殺されるという顛末を迎え、抵抗を試みた昭は辰巳によって屍鬼の餌食にされかけるも、夏野によって助け出されて密かに隣町で匿われていたようだ。
昭が死んだと思い込んでいたかおりは自分も恵に殺されると怯えていたものの、最後は抵抗を決意。そんな彼女の前に現れたのは恵ではなく、おそらく父親の方だったのだろう。病院暮らしをしていたのは、そんな父親を殺した事と助けられて緊張から解放された事で、精神的に疲弊してしまったからなのか。
姉弟だけとなってしまったけど、一人きりとならなかった事がせめてもの救いか。
昭は原作では殺されてしまっているらしいので、最も報われる形となったのだろう。夏野が最後に辰巳と戦えたのは、正志郎から血を摂取したからなんだな。
敏夫に血を分ける余裕があったとは思えないし、みんなを指揮する彼のところに夏野が出て来れなかっただろうから。

清水恵はいち早く屍鬼になった後も、罪悪感もなく屍鬼として生き続けたのが特徴的。
ただやっぱり起き上がった後も彼女は常に一人で、唯一正雄が金魚のフンのようについてまわってきただけ。彼女自身も村人と仲良くするつもりがなかったのだろうが。
死にざまはかなり無残な殺され方でした。何度もトラクターに跳ね飛ばされた上に、腕をタイヤで踏みつけられて、頭を轢き潰される。頭を潰しただけでも死ぬはずなので、頭が引かれた時点で死んでいるはずなんだが、更に胸に杭も打たれてるし。
結局最後まで夏野が人狼になった事も知らなかっただろうから憐れな限り。せめて夏野に殺される最後とかなら、本人にとっても救いがあったかもしれないだろうに。
最後の最後で見せた彼女の叫びに、村の男が「本当に起き上がりなのか」と思ったのはあまりにも人間臭かったからなんだろうな。

人間でありながら屍鬼に味方した桐敷正志郎は最終的に最も報われない形となってしまった。
かなりの腕前の狙撃で活躍を見せたものの、夏野と対峙して血を吸われ、人狼を殺すという命令を受けて倉橋佳枝殺害を遂行させられてしまった。最後は燃え尽きる屋敷の中へ消えていく。あの最後を選んだのは彼の意志だったのだろう。
屍鬼になりたいと思いながらならなかったのは、必ずしも屍鬼になれるとは限らないためだったのだろう。沙子や千鶴は彼と言う後ろ盾があるからこそ、これまで人目を忍んで生きて来れたのだろうし。

外場村の人々は夏野や昭たちや伊藤郁美たちの言葉にまったく耳を傾けず、尾崎敏夫が祭りの日にみんなの目の前で桐敷千鶴が起き上がりである事を証明した事で、ようやく信じて決起。
彼らが『起き上がり』という非科学的存在を認められないでいたのは止む得ない事。おそらくは現実にあったとしても自分の目で見ない限りは誰も信じようとはしないだろう。敏夫だって最初は信じていなかったわけだしな。
そんな彼らは最初こそ戸惑う者の多く、復讐に燃える恵の父・清水武雄や大川富雄が中心となって屍鬼狩り。
千鶴を救うために猛スピードで突っ込んできた車を正面から止めるとか、富雄が実は人間じゃねぇんじゃねぇか、と思わせる活躍でした。
しかし集団ヒステリーのようになってしまい、屍鬼に味方した裏切り者だと、操られている者たちも容赦なく殺したり、何も知らなかったのを一方的な決めつけで静信の母や寺の人たちを惨殺する様はもはや異常。
女性陣も村迫智寿子たちも平然と屍鬼に止めを刺したり、死体の山に囲まれた場所で談笑しながら食事をとるという異常さ。あまりの数で屍鬼を殺すという事に対しての感覚がマヒしてしまっているのだろうが。

過激派の急先鋒として村人を指揮した大川富雄は、馬鹿息子を殺す時にも他の者と平等に殺す事を躊躇わない者、一撃で葬ってやりたいという親心も見せてくれた。
そんな彼ですが、最後の最後で不意を突かれて殺されるという死を迎えた。
ただ彼が沙子に語った「ルール」を守らなければならない、という言葉は彼自身にも返るものではなかったのか。彼は激情によって殺すべきではない人物にまで手を掛けてしまっている。彼自身もまたルールを破ってしまっている人物であり、単純に沙子たちを「人殺し」として非難できる立場にはなかったと思う。この時は頭に血が上っているので、彼自身思い至っていなかったのだろうが、もし生き延びていたら自分が「屍鬼の協力者」だと決めつけて殺してしまった人たちの事をどう振りかえっていたのだろうか。
少なくとも室井美和子たち寺の人間は協力者でもなければ、操られてもいない無実の人間だったわけだし。

村迫正雄は起き上がった後も相変わらずの状態。
無駄に自己中心的でそのくせ脆弱。
結果的に起き上がり狩りでは這う這うの体で逃げ回った挙句に、偶然家に戻っていた智寿子に助けを求めようとする有様。
ただでさえ起き上がりを殺すことにためらいの無くなっている彼女が、自分の息子をいじめたり我がままをしてきた彼を助ける筈もないわけで、最終的には彼女によって殺されたようだ。ただ燃え落ちる外場村のシーンに彼女らしき人物の死体があったので、彼女は相討ちになったという事だろうか。
正雄は最後の最後まで甘えの抜けない、自分自身について反省しようともしないどうしようもない人間だった。

そんな彼とはある意味で真逆に突き進んだのは武藤徹と国広律子。
起き上がりとして血を吸い、家族を殺すといわれて親友である夏野を襲った徹。彼は最後まで夏野が人狼となった事は知らなかったのだろうな。
飢餓に耐えられず、家族を殺すという強迫を言い訳にして、葛藤を抱きながらも人を襲っていた。人としての部分を捨てきれないそんな彼だからこそ、桐敷沙子は目を掛けるようになったみたいだ。屍鬼の辛さや哀しさを一番理解できると思ったのだろうか。
ただ徹は家族を盾にされていたものの、兼正は最終的に村を全て屍鬼にしてしまうつもりだったのだから、遅かれ早かれ彼の家族は殺されていたのではないのだろうか。というか、彼の妹と弟は徹が死んでからほとんど出番無くなったよな。
一方で律子は起き上がりの存在に薄々気付きながらも、襲われる直前まではどうしようもなかった。敏夫がもう少し周囲に気を配って、彼女たちを信用してあげて打ち明けていたなら救えたかもしれない人物だろう。
起き上がりとなった後も死にたくはないが誰も殺したくないと、飢餓による衝動と戦いながら、最後まで血を吸わなかったのはおそらくこの律子だけなのだろう。
そんな彼女は徹と共に死んだかと思いきや、最後にはしっかり胸に杭を刺されてました。ただ仲良く並んだ状態だったので、おそらく牢の中で意識を失った状態で抵抗する事無く殺されたのだろうな。
そんな彼らの死には流石に敏夫も心を痛めたようだ。律子が襲われたのは彼の落ち度でもあるわけだしな。
山入りの存在も誰も思い出さないまま、律子と徹が逃がした橋口やすよからもたらされた情報でようやく気付けたわけですが、やすよもちゃんと律子の事を説明しようよ。たとえ説明しても、頭に血が上った連中が律子たちを助けたとは思えないが、それでもせめて敏夫が苦しまないように手を下すなどの措置は出来ただろうに。

いち早く兼正の正体に感づいていたらしい静信の父・室井信明は自ら屍鬼の犠牲となって、起き上がりとなる事を選択した数少ない人物。その際に家族にまで害が及ばないように、あくまで招くのは自分の部屋のみに限定という配慮をみせているのは、彼が立派な住職であった証明だろうか。そんな彼が起き上がりとなったのは、寝たきりだから健康な体を手に入れたかったのだろうか。それとも死にゆくだけの身を、彼らの糧とする事を選んだのか。

若御院こと室井静信は結果的には屍鬼の味方につく道を選択。
完全な味方ではないので、彼らを殺さないけど彼らのために人間を殺す事もしない。どちらにも属さない者というスタンスを選んだようだ。それでも彼らの下に行ったのは沙子がいたからなのでしょう。
寺に逃げ込んだ時には、まさか追手が人間である母親たちを殺してしまうとは夢にも思ってみなかったのだろうが、結果的に母親も殺され、自分も見つかるという愚行になってしまったのは、彼の覚悟の無さでもある。どっちつかずであるがゆえに、家族を巻き込んでしまったわけだ。
そんな彼は6人目となる人狼に死の淵から覚醒。
人狼と起き上がりの違いは日光が平気や、日中に眠らない、血を吸わなくても活動できるなど利点ばかりですが、それ以外にも成り立ちが完全に死ぬ前に発生する事だったようだ。
最後は沙子と共に密会場所でもあった礼拝堂で炎に包まれましたが、人狼と屍鬼である二人があれで死ぬとは思えないので、生き延びたのだろうか。
彼に対してどうしても感情移入できないのは、主役格でありながら彼目線でのエピソードが極端に少ないからかな。

前半の主役が夏野なら、後半の主役は尾崎敏夫だろう。
夏野たちと同じく起き上がりの存在に気付きながらも、証明するためのものを一人で探し続けたため、結果的に大きく後手をとって一発逆転を狙うしか無くなってしまったとも言えるのではないのか。
いくら起き上がりになったとはいえ、妻をあそこまで冷淡に実験台に出来た彼の精神は一体どのようなものなのだろうか。
屍鬼に勝利するため、次々と村人が犠牲になるのに目をつむり続けて、夏野に先に血を吸わせていた事で、千鶴の命令に逆らって起き上がりの存在を証明できたわけだが、それは彼の精神の強さでもあるのだろう。
ベッドで千鶴の命令に苦しんでいた様子からして、夏野が先に血を吸っていたからと言って、完全に命令が効かないわけではないようだし。
村を守ろうとして結果的には村を失ってしまった彼は、「敗北」したと感じたわけだ。
彼が守ろうとしたのは『村人の命』で無かった事だけは確かだと思う。
彼らは「村」という枠を守ろうとしていたのではないのだろうか。


そして屍鬼と人狼たち。
海外からやってきただろう屍鬼(または人狼)の男の餌食となって屍鬼になってしまった桐敷沙子。
かなりの長い年月を一人きりで過ごしてきた彼女は、それだけに孤独なる事を極端に恐れていたのでしょう。
しかし疑問に思うのは、彼女たち屍鬼は人の血を吸わなければ死んでしまう存在という事だが、人を殺す必要があるのか、という事。一度の吸血では死に至らない事を考えれば、複数の人間から適度に血を吸っていれば、相手を殺さなくとも済むはずだと思うのだが。にも拘わらず生きるためには「殺すしかない」としている事がよく判らない。

桐敷千鶴は死の直前になって、彼女が生前の頃の様子を描くなどは王道で反則的。凄い普通の可愛い奥さんで、そんな状態で沙子なのか、それ以外の屍鬼なのかは不明だが、襲われて屍鬼となってしまった。悪女っぽさを振りまいていたものの、本当の彼女は凄い無邪気な女性だったようで、見た目や設定と違って沙子にとって娘のような存在だったのだろうな。
人間だった頃を思い出してはしゃぐ彼女の様子を見ても、まったく動じない敏夫の方が悪人のようにすら見えてしまう。
屍鬼がいなければ、夫と幸せに人生を過ごしていただろうに。彼女もまた屍鬼によって人生を狂わされてしまった可愛そうな人だったのでしょう。

屍鬼たちが捕食をこれほどまでに行ったのは、飢餓はもちろんだが、自分たちが安心して暮らせる拠点を作りたいというのが最大の要因なのだろう。
年を取らない上に血を吸う彼女らは当然同じ場所に長期間滞在していられない。
そうした生活に疲れていたのかもしれないな。
正志郎が千鶴や沙子のために、彼女たちが安心して暮らせる場所を作りたいと考えての事だったとしても不思議ではない。

そして村を失った村人たちはこれからどうするのか。
家財も失っているわけだし、かなり大変だと思うが。
ただ村はもう再興でないのではないのか。人間も殺してしまっているし、あの騒ぎの後では隣人に心を許せるかどうか。当面夜の出歩きは恐怖だろう。

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