魔法少女まどか☆マギカ 第12話(最終回)「わたしの、最高のともだち」
「ほむらちゃん、ゴメンね。
私、魔法少女になる」
叶えたい願いが出来たから、自らの命を差し出して魔法少女となる決意をしたまどかに、自分がなんのために戦ってきたのかと哀しむほむら。
そんなほむらにまどかは、ほむらに護られてきたから今の自分があるのだと謝る。
「そんな私がやっと見つけ出した答えなの。
……信じて。
絶対に今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから」
「まどか……」
「数多の運命を束ね、因果の特異点となったキミになら、どんな望みだろうと叶えられるだろう」
「本当だね」
魔法少女としての素質である因果の力により、魔法少女の叶えられる願いの強さも代わってくるという事か。まどかは本当に神にも悪魔にもなれるだけの願いを叶えられるという事。
「さあ、鹿目まどか。
その魂を代価にして、キミは何を願う?」
「私……
……全ての魔女を生まれる前に消し去りたい!
全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で!」
「その祈りは……そんな願いが叶えられるとしたら、それは時間干渉というレベルじゃない。
因果律そのものに対する反逆だ!」
時間軸を変えるどころではない絶対の願いをするまどか。
「キミは本当に神になるつもりかい?」
まどかの願いに愕然とするキュゥべえ。
「神様でもなんでもいい。
今日まで魔女と戦ってきたみんなを。
希望を信じた魔法少女を、私は泣かせたくない。
最期まで笑顔でいて欲しい。
それを邪魔するルールなんて、壊してみせる! 変えてみせる!
これは私の祈り、私の願い……
さあ! 叶えてよ! インキュベーター!!!」
さすがのキュゥべえも予想すらしなかったまどかの途方もない願い。自分に関わった友達たちだけではなく、全ての魔法少女を救うという飛んでもない願いをしてきた。
キュゥべえがこれまでの魔法少女たちの事を見せつけて、その犠牲の上に成り立っているとか嘯いてしまったからですから、キュゥべえとっては自業自得の結果。
しかし過去の修正という次元を遙かに超えてますよ。魔女を作り出さないという事は、キュゥべえたちの作り出した魔法少女の定めそのものも変えてしまうというものだから焦るのも当然ですが。
まどかの願いは現在も未来も、全ての時間軸で永遠と戦い続ける存在となるまどかに、それがどれほど大変な事なのか判っているかと問い掛ける巴マミ。
まどかはまどかという個体を保てなくなる。
未来永劫、魔女を滅ぼす固定概念として全ての時間軸に存在して世界の一部となる。
みんなの希望を護るためにはそれをも受け入れるまどか。
佐倉杏子はそれが彼女の願いであり、闘う理由が見付かり、逃げないと決めたのなら仕方ないと笑う。
果たしてこの世界はなんなのか。どの時間軸でもないわけですが。
「じゃあ、預かっていたものを返さないとね」
マミはまどかに魔法少女の変身予想図を書いたノートを差し出す。
そっか、このノートってマミが持っていたんだね。
「あなたは希望を叶えるんじゃない。
あなた自信が希望になるのよ。
私たち……全ての希望に」
まどかの精神世界でのお話でしょうか。それとも色々と次元や物理法則などを無視した魂の世界のお話なのか。
まどかはの放った矢がワルプルギスの夜が作り出した暗雲を一瞬で消し去り、全ての使い魔と魔女となった少女のグリーフシードから闇を消し去る。
この女の子がワルプルギスの夜となった魔法少女の女の子だったんだね。一体何を願い、何を感じたらあそこまで強力な魔女となったのか。
現在・過去・未来に至る全ての魔女となった少女たちの魂を救うまどか。
救済された魔法少女のソウルジェムは消失し、少女たちの姿も消えてなくなる。
「あなたたちの祈りを、絶望で終わらせたりしない!
あなたたちは誰も呪わない、祟らない。
因果はすべて私が受け止める。
だからお願い、最期まで、自分を信じて!」
ワルプルギスの夜の魔女の呪いも受け止めるまどか。
まどかが選んだのは魔法少女が絶望の末に魔女となっていたのを、その絶望の力を受け入れて魔女にならなくするという道だったのか。魔法少女そのものは存在していて、魔女になるのではなく消えてなくなるという結末になってしまうのか。希望のために戦った魔法少女が、絶望しての世界に呪いをまき散らしてしまうという哀しい結末を迎えないようにしたんだね。
ワルプルギスの夜の絶望すらも受け止めるまどか。
まどかのもたらした新しい法則によって作り替えられるその現場に、時間軸に鑑賞する魔法少女であるほむらが立ち会い、その世界を見つめる。
一つの宇宙を救うほどの希望は、一つの宇宙を終わらせるほどの絶望をもたらすのは当然だというキュゥべえ。
巨大な絶望の闇に包まれる地球だが。
「ううん、大丈夫……。
私の願いは全ての魔女を消し去る事!
本当にそれが叶ったのだとしたら……
私だってもう絶望する必要なんてない!!!」
自分自身の絶望すらも自分で受け止めるまどかは、彼女の願いよって生まれたソウルジェムの闇すらも消し去る。
「まどか、これでキミの人生ははじまりも、終わりもなくなった……」
まどかという存在は誰にも認識できない存在となった。
誰にも干渉されず、誰にも干渉されない不可侵の存在となったまどかは宇宙の一部でもなくなった。
それでは死ぬよりももっと酷いと嘆くほむら。
しかしまどかはそんなほむらの哀しみを否定する。
過去も未来も、全てを見つめる事が出来るようになったまどか。
かつてあったかもしれない宇宙も、起きるかもしれない宇宙も、全てを。
ほむらがこれまで費やしてきた全ての世界も知る事ができた。
「ずっと気づけなくて、ゴメン。
ゴメンね……」
ほむらを抱きしめるまどかにほむらは泣きじゃくる。
「今の私になったから、本当のあなたを知る事が出来た。
私にはこんなにも大切な友達がいてくれたんだって……
だから嬉しいよ。
ほむらちゃん、ありがとう。
あなたは私の、最高の友達だったんだね」
独りぼっちで永遠に取り残されてしまうのだと嘆くほむらに、まどかは永遠にみんなと共にいるのだと応える。
どこにも存在せず、どこにでもいる存在。まさに神にも匹敵する存在となったまどか。
「まどかはそれでもいいの?
私はあなたを忘れちゃうのに?
まどかの事、もう二度と感じ取ることすら出来なくなっちゃうのに?!」
「ううん。諦めるのはまだ早いよ。
ほむらちゃんはこんな場所までついてきてくれたんだもの。
だから、元の世界に戻っても……もしかしたら私の事、忘れずにいてくれるかも……」
まどかはトレードマークでもある自分のリボンをほむらに差し出す。
「大丈夫、きっと大丈夫。
信じようよ。
だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから」
ほむらの前から消え始めるまどか。
「きっとほんの少しなら、本当の奇跡があるかもしれない……
そうでしょう」
「まどか、行かないで!」
「ごめんね、私、みんなを迎えに行かないと……」
みんなを迎えに行かないといけないとほむらの前から姿を消すまどか。
「いつかまた、もう一度ほむらちゃんとも会えるから。
それまでは、ほんのちょっとお別れだね」
「まどかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
みんなとはさやかやマミだけではなく、これまで魔法少女となり絶望した少女たちの魂の元へ、という事か。
審査員の前で課題曲のアヴェ・マリアを演奏する上条恭介の演奏を聴く、美樹さやかとまどか。
美樹さやかを救うには、何もかもなかったことにするしかない。それは恭介の体が治る世界を消すしかないという事。だがそれはさやかの望む世界ではない。
だからさやかの命を救うという選択肢をまどかは出来ない。
さやかの願いはそのままに、失望するさやかの心だけを救うまどか。
「これでいいよ。そうだよ、私はただ、もう一度あいつの演奏を聴きたかっただけなんだよ」
彼の演奏を大勢の人たちに聴いて欲しかっただけ、という事を思い出す事が出来ただけで充分であり、後悔などないと語る。
志筑仁美となら仕方ないと、仁美と恭介が付き合う世界を受け入れるさやか。
人々の拍手を受ける恭介はさやかの消失を感じる。
魔女となったさやかは恭介を助けるため、魔女となったさやかは消失する。
敵との戦いが終わり、元の世界へともどった佐倉杏子はさやかがいない事に気付くが、巴マミはさやかが力を使い果たして行ってしまったと語る。
友達となれたのにさやかが消えてしまった事を哀しむ杏子。
「それが魔法少女の運命よ。
この力を手に入れた時から判っていたばすでしょう。
希望を求めて因果が、この世に呪いをもたらす前に、私たちはああやって、消え去るしかないのよ」
魔女にはならず消え去る定めとなった魔法少女。
しかも魔法少女たちはキュゥべえから教えられるのか、それとも魔法少女になった時点で自動的に理解するのか、何も知らずに戦うという事が無くなったようだ。死んだら魔女になるという事を知らなかった事も、魔法少女の絶望の一つでもあるからなんだろうな。
「まどか……」
まどかのリボンを握りしめて無くほむら。
だがまどかというのが誰なのか、マミも杏子も判らない。
ほむらだけがまどかの存在を憶えていました。
まどかの絵を描く鹿目たつや。
何故この弟はまどかの存在を憶えているのか。存在しないけど、自分たちを見守ってくれているまどかの存在をなんとなく感じ取っているのだろうか。まどかに近しい者であり、まどかの家族であるからまどかの存在をおぼろげに出も認識できるのかもしれない。
「まどか」の名前を口にするたつやと共に過ごす鹿目知久たち。
1人遊びするたつやは「まどか」という謎の少女を口にする。その名前に何故か憶えのある詢子は懐かしさを感じていた。
ほむらのつけるまどかのリボンを自分の好みだとビックリする。
やはり肉親である彼女たちだけはまどかについて何となくだけど憶えているのか。
ま、彼女たちがいなければまどかは生まれていないので、そうした意味で肉親だけはちょっとイレギュラーなんだろうな。
宇宙のルールが書き換えられたという記憶を持つほむらだが、キュゥべえですら理解できない。
それらを証明する手段も一切ない。
浄化しきれなくなったソウルジェムが何故消えてしまうのか、今のキュゥべえたちインキュベーターにも理解は出来ない。
魔女の存在する世界は今よりも感情エネルギーを収集するのなら、今よりも効率良くエネルギーを収集できてしまう。
今の世界の魔法少女は魔女ではなく、魔獣と戦っていた。
キュゥべえとの関係も悪くない世界となっていた。
魔女が消えても人間の心から闇が消えたわけではなく、魔獣という形で人々に忍び寄る。
キュゥべえたちは相変わらずだけど、彼らの魔女を作り出すという概念そのものも書き換えられてしまっているので、ほむらも以前のように敵対視せずに共存するようになっているんだね。
つか、この場面でほむら1人が戦っているという事は、マミや杏子は消滅してしまった後という事なんだろうか……
――哀しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれど。
――だとしてもここは、かつてあの子が守ろうとした場所なのだ。
――それを、憶えてる……
――決して、忘れたりしない。
――だから私は……戦い続ける。
記憶が残っているほむらが魔法少女になったのはまどかが護った世界を護るためという事か。
このほむらが魔法少女となるために願った願いがなんなのかぎ気になるところだけど。
Don't forget.
Always, somewhere,
someone is fighting for you.
--As long as you remember her,
you are not alone.
(訳:忘れないで。
常に、どこかで、誰かがあなたのために戦っている事を。
……あなたが彼女を忘れない限り、
あなたは独りぼっちじゃない)
ほむらの武器が今までのような実際の武器や時間を止める力ではなく、まどかの使っていた弓矢に代わりましたね。これはほむらの願いの形が変わったからなのか。
最初はまどかの存在についておぼろげだったほむらも、時間と共にまどかについて記憶を取り戻したのか、それとも
そしていくつもの時が流れ、巨大な魔獣へとほむらが立ち向かう。
――頑張って……
まどかの応援を受け、ほむらは微笑むと、黒い翼を纏い立ち向かう。
そんなわけでようやく最終回を迎えました。
まどかが神のような存在となるエンド。
しかしどう転んでもさやかは救われないのか……結局最期までみんなで仲良く魔法少女という世界はないんだね。
まどかの自己犠牲エンドは微妙なところではあるかな。
ほむらたち魔法少女が死ぬ時、まどかと再び会えるという事なのかな。
こちらはミラーブログになりますので、基本的にTBは本館(http://ameblo.jp/adam/)へお願いします
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