« DOG DAYS -ドッグデイズ- EPISODE 10「勇者と姫と希望の光」 | トップページ | 花咲くいろは 第十話「微熱」 »

2011年6月 6日 (月)

プリンセス・トヨトミ レビュー(ネタばれあり)

 【ストーリー】

方広寺の大仏殿に治める梵鐘に「国家安康」「君臣豊楽」の文字を刻んだ事を口実に、徳川家康は豊臣側に戦闘を仕掛けて和議に至る。だが、この時、大坂城の外堀を埋めるという約束に同意した豊臣に対して、家康は内堀までも埋めてしまう。
そして4月になると、再び家康は豊臣へと攻撃を始め、大坂夏の陣が開戦する。
二重の堀による強固な防衛を誇った大坂城も、埋められてしまった事により鉄壁の防衛を失ってしまっていた。豊臣側は籠城ではなく討って出るも力及ばず落城すると、徳川側は豊臣の血筋は一人残らず根絶やしにするべく指示を飛ばす。
淀君と秀頼は自決し、秀頼の子、国松は一人の女性に連れられて戦乱の中を逃げ出していた。女性は国松を秘密の抜け穴へと案内すると逃げるように指示、自分は追いかけてきた武将の囮なって落命する。
だが抜け道の中で逃げずに立ち尽くす国松に、武将が近づいていった……

7月の頭、会計検査院第六局所属の松平元(堤真一)は部下の鳥居 忠子(綾瀬はるか)と新人の旭 ゲーンズブール(岡田将生)を引き連れ、実地検査のため大阪へと新幹線で移動する。
新幹線での道中、鳥居は旭に昔、親と新幹線に乗っていた時に富士山の麓に巨大な十字架が何本も立っているのを目撃した事があると語る。
大阪行きの新幹線で富士山を見る事が出来れば大物が掛るというジンクスを語っていた鳥居ははっきりと見える新幹線に、大きな事が得られる予感を感じる。

「鬼の松平」と異名を持つ松平はすぐさま実地検査に入ると、各企業の問題点を洗い出していく。
空堀中学校に実地検査やってきた3人は、不良グループを中心にして虐められている女装姿の真田 大輔(森永悠希)と松平たちを見かけて不良たちが去った後に、助けに駆け付けた橋場 茶子(沢木ルカ)を目撃する。
大輔はある日突然、女の子になりたいと言ってセーラー服で登校するようになってしまい、学校としてもイジメの心配をしていたのだと語る。
仕事とは関係ない話に耳を傾ける鳥居に辟易する旭。新人の旭は松平が何故有能とは思えない鳥居を部下にしているのかが謎だった。
『ミラクル鳥居』は奇跡を起こす、その噂は旭も聞いているが俄かに信じる事は出来ない。
だが鳥居がトイレに行っている間に女子職員の不正を立ち聞きして不正を暴くなどの奇跡を起こしてみせる。

鳥居の活躍で10分間短縮した松平たちは、続いてリストの中に入っていた『社団法人OJO』という見慣れない団体の実地検査を実施する。
何度も呼び鈴を鳴らしてようやくやってきたのはOJOの代表、長曽我部(笹野高史)だった。
実地検査の結果は何の問題も無く終了し、3人はOJOの真向かいに存在するお好み焼き屋『太閤』で昼食を取ることになった。
『太閤』の店主、真田 幸一は実は空堀中学校で虐められていた大輔の父親だったが、大輔を気に掛ける母・真田 竹子(和久井映見)とは対極的に幸一は大輔のことに何も言おうとはしない。

大食漢の鳥居に呆れる旭。
と、松平は携帯電話を忘れている事に気付いてOJOへと戻っていく。
だがまたも幾ら呼び鈴を鳴らしても誰も出て来ず、止むなく中へ足を踏み入れてみる。携帯は無事に発見するも、屋内には誰ひとり残っていなかった。
気になった松平は長曽我部から貰った名刺に電話をかけると、長曽我部が電話に応じる。更に固定電話を手にすると電話は回線が繋がっておらず、職員たちの机の引き出しは空っぽという状態に、松平はOJOに不審を抱く。

お好み焼き屋を出た松平たち。と、店の前を通り過ぎた不良の蜂須賀 勝は、突然掛けてきた茶子に顔面に飛び蹴りを入れられて気絶してしまう。
松平たちはあまりの出来事に立ち去る茶子を茫然と見ているだけだった。

翌日、OJOを再度訪問した松平は昨日の一件について問いただすが、長曽我部は偶然お昼に出かけていただけだの、電話回線は時々通じなくなるだの飄々と応じるだけで机の中にはしっかりと文具や書類が納められていた。
それでも納得できない松平はOJOが資金援助している企業を回って、OJOの不正を暴くべく調査を始める。遂には『鬼の松平』の本領発揮で、ボランティアに参加した参加者にランダムで電話確認をするという手段にまで出る。
それでも一切の問題が出ず、鳥居は大阪中がウソをついていない限りありえない語る。

鳥居と松平の二人は再び空堀中学校の実施検査へと向かうが、またも大輔が蜂須賀たちにいじめられている現場に遭遇する。大輔は何でもするから茶子には手を出さないでくれと頼み込んでいた。ヤクザの親分の子供である蜂須賀は、それなら自分の組の代紋を取って来いと無理難題を命じる。
お父さんも本当は大輔の事を気にしていると大輔を気遣う鳥居だが、松平は親子だからと言って頼れるとは限らないと冷たく語る。
と、松平は中庭にある一つの扉に目を止める。
立ち入り禁止の札が掛けられた扉が奇妙なまでに気にかかった松平が大輔に問うと、大輔は立ち入り禁止なので詳しくは知らないが、その昔の大阪城への抜け道だったという噂があると語る。
松平たちは大阪の歴史を調べている漆原修三(江守徹)を訪ねると、抜け道の存在についての説明を受ける。そして抜け道の出口の一つがあっただろう場所として、現在の空堀商店街があげられる。

同じ扉がOJOにもあった事に気付いた松平は単身OJOへと乗り込むと、長曽我部に1階にある空堀中学校の庭にあった物と瓜二つの扉の向こうを見せるように依頼する。松平はOJOの職員たちが消えたのは、この扉の向こうにいた筈だと睨んでいたのだ。
最初は扉の向こうが老朽化して危険だと拒んでいた長曽我部だが、執拗に食い下がる松平に彼にその権限はないと反対を続ける。
二人の口論が平行線を辿っていた時、長曽我部を説得したのは太閤の主人・真田だった。
真田は長曽我部から鍵を受け取ると、扉の向こうへと案内する。
そこには赤絨毯の引かれた長い廊下が延々と続いていた。
途中、車椅子の老人と車椅子を押す男性とすれ違い、長い廊下を渡り切った先にあったのは、まるで国会議事堂を思わせる一室だった。
そして真田は自身を《大阪国総理大臣》だと名乗った。

大阪夏の陣で徳川家によって滅ぼされた豊臣家だが、国松だけが民衆に守られて生き延びていたのだという。徳川が捕えて殺したとされる国松は、見つけられぬ徳川軍による偽物だ、と。
国松を助けても何の益も無いはずと考える松平だが、逢坂の民たちは豊臣の世で太閤秀吉の陽気さを慕っていたからだと答える。
そうして豊臣の血筋を最初はごく少数の者たちで、そのネットワークはやがて拡大していき、父から子へと受け継がれながら何時しか大阪全土に至るまでに拡大するに至った。
誰が豊臣の姫なのか、知る者はごく僅かで、当の本人すら知らない。
通常、この場所を訪れるのは生涯に2度だけ。父から受け継ぐ時と、子へと伝える時だけ。
先ほどすれ違った二人もそうした引き継ぎの時だったのだという。
《大阪国》の建国は明治維新に遡る。
徳川幕府と戦う新政府軍は幕府軍に勝利するためにどうしても必要な莫大な資金を《大阪国》から借り受ける事を条件に、《大阪国》の存在を承諾するしかなかったのだという。以来、今日に至るまでたた豊臣の末裔を守るためだけにこの国は存在してきた。

松平は旭にOJOの過去の実地検査の記録を全て調べ上げるように指示。
鳥居には太閤に一日中いるように指示。

太閤で一日を過ごした鳥居は夕方に大輔を訪ねてきた茶子と出会う。
具合が悪いので会いたくないという大輔に、帰ろうとした茶子を追いかけた鳥居は大輔が蜂須賀に代紋を取ってくるように言われていた事を話し、茶子を危険にあわせたくないだけなのだと語る。
だが、この事により、茶子は翌日、蜂須賀組へと殴り込んで代紋を奪い取ろうとしてしまう。
茶子の動きを察した鳥居はタクシーで駆けつけると、事務所前で茶子を捕まえると、強引にタクシーに押し込んで連れ去っていくが、身分証と携帯電話を落としてしまった。

一方、松平との会談を控えた真田は帰宅した息子の大輔を大阪国の議事堂へと案内し、《大阪国》の存在について語ると、豊臣の姫が茶子であると打ち明ける。
だが、そこに長曽我部から茶子が鳥居によって誘拐されたという情報が入ってくる。

・キャスト
松平 元:堤真一
幼少の元:岡部太夢
鳥居 忠子:綾瀬はるか
旭 ゲーンズブール:岡田将生
真田 大輔:森永悠希
橋場 茶子:沢木ルカ
長曽我部:笹野高史
真田 竹子:和久井映見
真田 幸一:中井貴一
宇梶剛士
甲本雅裕
合田雅吏
村松利史
おかやまはじめ
ト字たかお
国松の母:菊池桃子
松平の父:平田満
漆原 修三:江守徹
南場 勇三:宅間孝行
たこ焼き屋のあんちゃん:玉木宏
アナウンサー:山本浩之、村西利恵(関西テレビアナウンサー)
空堀商店街の男性:林弘典(関西テレビアナウンサー)

・YouTube動画



 【感想】

原作とは微妙に変わっているらしいです。
時期は5月から7月へ変更され、実地検査の期間も短縮されています。
鳥居と旭の性別が逆転しています。特にこれにキャスティングの上で考慮されての変更ではあったようですが、名前の元ネタが鳥居は鳥居元忠、旭は朝日姫であるだけに微妙なところ。
原作では大阪国の存在は男性しか知らないけど、映画では女性も知っているという事になってるみたいで、おばちゃんが合図の瓢箪を出したりしています。
登場人物の名前は基本的に武将などから取られています。

色々とツッコミどころ満載
OJOは「王女」の略という事ながら、秀吉の子孫なら「姫」ではあっても「王女」にはならないよね。
後気になったのは、茶子は女性だったけど、男性ならどうなるんだ、と……『OJI』に改名するの?

大阪国の存在は原作では男しか知らないが、女性も知っているとなっています。ただ父親から息子へと引き継がれる場合、息子が生まれなかった家系はどうなるのか。また子供が複数した場合はみんな引き連れるのか。シングルマザーはどうなるのか。気になります。
終盤では大阪国の男たちが府庁に集まったら町中から人が消えたという演出はちょっと不自然。
大阪地元住民だけが働いているわけでもなければ、観光客もいる筈。それに女子供は残っているはずだろう。
死期を察するまで引き継がないのなら、50・60超えても大阪国の存在を知らない地元男性もいるはず。

OJOの人たちは結局どこに消えていたのか。
地下の議事堂は引き継ぎの時にしか入らないのだから、職員たちがあの中へ消えていたというのは辻褄が合わない。
竹子で視界が塞がっていた一瞬の間に本当にみんなで昼食に出かけていたという事なのだろうか。

蜂須賀のヤクザたちも大阪国の住人だったとしたら、もし茶子が殴り込み掛けていた場合どうなったのだろうか。
原作では茶子が殴り込んでいるらしいけど。
間違って殺したりしていたら大変なことになるよね。

瓢箪が合図になっていたのは、もちろん豊臣秀吉の馬印である千成瓢箪から来たものですが、知らない人には何の事だかさっぱり判らなかったらしい。

たこ焼き屋の兄ちゃんをやっていた玉木宏はもっと意味のあるキャラかと思いきや、ただの特別出演だったのか……

どうでも良いが、無人の大阪の町中を走る綾瀬はるかの胸がやたらと揺れるのに目がいくのは男なら仕方ないよね。
あと、串カツ屋ではてっきり二度漬けして怒られるシーンとかあるのかと思ってきたいしてたら無かったので残念。

個人的評価:75点

にほんブログ村 映画ブログへ ←良かったらクリックして下さい

こちらはミラーブログになりますので、基本的にTBは本館(http://ameblo.jp/adam/)へお願いします

|

« DOG DAYS -ドッグデイズ- EPISODE 10「勇者と姫と希望の光」 | トップページ | 花咲くいろは 第十話「微熱」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: プリンセス・トヨトミ レビュー(ネタばれあり):

» プリンセストヨトミ [新・映画鑑賞★日記・・・]
2011/05/28公開 日本 119分監督:鈴木雅之出演:堤真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、笹野高史、和久井映見、中井貴一 大阪全停止。その鍵を握るのは、トヨトミの末裔だった。 会計検査院の調査官である松平元、鳥居忠子、旭ゲーンズブールの3人が、府...... [続きを読む]

受信: 2011年6月 8日 (水) 11時44分

» 『プリンセス トヨトミ』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「プリンセス トヨトミ」□監督 鈴木雅之 □脚本 相沢友子□原作 万城目 学 □キャスト 堤 真一、綾瀬はるか、岡田将生、沢木ルカ、森永悠希、和久井映見、中井貴一■鑑賞日 5月28日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点...... [続きを読む]

受信: 2011年6月 9日 (木) 17時30分

» プリンセス・トヨトミ [Akira's VOICE]
面白味が伝わらん・・・。 [続きを読む]

受信: 2011年6月10日 (金) 10時08分

» プリンセス トヨトミ [映画的・絵画的・音楽的]
 『プリンセス トヨトミ』をTOHOシネマズ六本木ヒルズで見てきました。 (1)映画を見る前には万城目学氏の原作(文春文庫)を読まずにいて、予告編の感じだけから、実際の映画では大阪が東京支配に反旗をひるがえして反乱を起こすような、とても壮大な物語を見せてくるも...... [続きを読む]

受信: 2011年6月13日 (月) 07時08分

» 『プリンセス トヨトミ』 その仕事の費用対効果は? [映画のブログ]
 世の中には、その実態があまり知られていない職業、あるいは誤解されている職業が少なくない。会計検査院の仕事も、そんな一つかもしれない。  『プリンセス トヨトミ』のように会計検査院の調査官が主...... [続きを読む]

受信: 2011年6月16日 (木) 01時42分

» プリンセス・トヨトミ 大阪ヾ( ̄∇ ̄=ノ バンザーイ♪ヾ(_ _)ノ ドモ [労組書記長社労士のブログ]
【=27 -8-】 TOHOシネマズのシネマイレージで6000マイルが貯まったので、2回目の1か月フリーパスポートをゲット。 先月はゴルフの突貫工事に忙しく、ちっとも映画を観ていなかったので、観たい映画はたくさん溜まっている、見まくってやる! というわけでフリー鑑賞1本...... [続きを読む]

受信: 2011年6月16日 (木) 09時40分

» 映画「プリンセス トヨトミ」荒唐無稽でもワクワクするものが無い [soramove]
「プリンセス トヨトミ」★★★ 堤真一、綾瀬はるか、岡田将生 中井貴一、沢木ルカ出演 鈴木雅之監督、 119分 、2011年5月28日, 2011,日本,東宝 (原作:原題:プリンセス トヨトミ/万城目学)                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「会計検査院の精鋭3人が、 大阪の公共機関の予算の調査をするが “鬼の松平”と異名を取る松平(堤真一)は 財団法人“OJO(大阪城趾整備... [続きを読む]

受信: 2011年6月16日 (木) 21時04分

» 映画「プリンセストヨトミ」感想 [タナウツネット雑記ブログ]
映画「プリンセストヨトミ」観に行ってきました。作家・万城目学による同名の長篇小説を原作とする、大阪国と会計検査院の間で繰り広げられる駆け引き、および家族の絆を描いた作品... [続きを読む]

受信: 2011年6月18日 (土) 23時23分

» 映画:プリンセス トヨトミ [よしなしごと]
 映画ブログのくせして、映画の記事を書くのは久々。久々の記事はこちら、プリンセス トヨトミです。 [続きを読む]

受信: 2011年7月26日 (火) 04時14分

« DOG DAYS -ドッグデイズ- EPISODE 10「勇者と姫と希望の光」 | トップページ | 花咲くいろは 第十話「微熱」 »