輪るピングドラム 21TH STATION「僕たちが選ぶ運命のドア」
電車に乗っていた荻野目苹果は、あの事件の被害者遺族から話を聞いているという週刊誌の記者から声を掛けられるが、彼の話が高倉兄妹が偽の兄妹である事に触れると激昂する。
高倉兄妹の事は調べ上げていた記者ですが、苹果が彼らと仲良くなっているという事までは調べられていなかったようだ。
しかし兄妹設定は何らかの不思議な力が働いてみんなに認識されているのかと思いきや、陽毬が忘れている以外は誰にでも判ることだったんだな。
高倉陽毬には嘘を吐きたくなかったからなのか、苹果は自分が陽鞠たちが本当の兄妹ではないという事を高倉晶馬から聞かされた事実を伝えました。
陽鞠もまた苹果には嘘を吐きたくなかったのだと笑う。
陽鞠にとってはダブルH以外に初めてできたちゃんとしたお友達だから、大切にしたいのだろうな。
唐突にこの家は「リカちゃんハウス」なのだと語る。
両親が姿を消し、陽鞠は高倉冠葉や晶馬までいなくなるのではないかと毎日のように泣いていた。そんな陽鞠のために冠葉と晶馬は家の壁をカラフルな壁に塗り替え、ベッドもリカちゃんハウスのようなベッドに変えた。
あの派手な家の外見は両親がいなくなってから、冠葉と晶馬がやったものだったんだな。陽毬が持っているアパッチクマのぬいぐるみは改装中に二人が踏みつけて壊してしまったので、修理した結果だったようだ。
陽毬は多蕗桂樹に狙われた日、多蕗が口にした冠葉がどのようにして大金を手に入れているのか知っている、という言葉が気に掛かり続けていた。
と、冠葉が夜中に出かけるのに気付き、陽毬はこっそりと冠葉の後を尾行する。
数日前、家を訪ねてきた記者は冠葉が『KIGAの会』と呼ばれる事件の犯行グループの男たちから金を受け取っている写真を見せつけていた。
この記者はこんなことを陽毬に話して何がしたいんだろうか。
『荻窪の味 リナちゃん』を訪れた冠葉。
陽毬を救う事が出来ない。そのためにはもっと金が必要なのか、しかし自分にはもう……悩む冠葉に、高倉剣山と高倉千江美の二人は冠葉・晶馬・陽毬の3人はみんな自分たちの大切な子どもであり、冠葉を息子に迎えた日の事は誇りに思っている語る。
冠葉が男から金を受け取って立ち去った後、陽毬が店の中に足を踏み入れると、そこはまるで廃墟であり、誰の姿もなかった。
そしてそこで陽毬は大変なものを目撃してしまう。
この時点でもはや陽毬が何を見てしまったのか、容易に想像がつくわけですが。
さっきまで普通だった店が廃墟になってるのは、アレが冠葉の中の脳内保管だったのか、それとも一時的に変化していたのか。
『Penguin-WAVE』
渡瀬眞悧はゲストに陽毬の元主治医・鷲塚医師を迎えて話を聞く。
幽霊の存在を信じるか、という眞悧はある男の子が幽霊に会って話をしているいう事を話題にする。
眞悧が使っている診察室は鷲塚医師の診察室で、彼がドイツへ行っている間に無断で使用していたという事。
陽毬の主治医であった鷲塚医師がどうなったのかと思いきや、海外に行っていたのか。
眞悧は剣山たちが写る第36次南極環境防衛隊の写真に眞悧が写っている事に気付く。
さっきまで写っていなかった筈の眞悧の姿が何故……意図的に消していたという事か?
眞悧は鷲塚医師の優秀な助手だったが、犯罪組織のリーダーとなり、大変な事件を起こして死んでしまった。
もう少しで目的を達せると思った事件は、荻野目桃果によって阻止されてしまったのだと眞悧は語る。
やはり桃果がピングドラムで目的を阻止していたのか。ただ桃果一人の存在だけでは完全に消すことが出来なかったから、被害をすべて抑えることは出来なかったという事なのかな。
しかし小学生の身の上でそこまでした桃果はすごいな。
例の記者は今度は晶馬に接触してきた。
記者から冠葉の金の出元を聞かされた晶馬を冠葉から真実を聞き出すと、絶対に許さないと冠葉へと殴りかかる。
そうとは知らずに二人を待ち続ける陽毬。
記憶を取り戻した後、陽毬は夏芽真砂子の下を訊ねていた。
冠葉は自分と夏芽マリオのために、全てを捨ててあの場に父親と残ったのだと語る真砂子。
陽毬のせいで冠葉は、組織の残党と行動を共にしており危険な状態にあり、二人で冠葉を止めなければ冠葉は彼らに殺されてしまうと告げる。
真砂子も幼い頃は父親と一緒にいたから、冠葉が金を受け取った相手の正体もすぐに判ったんだな。しかしどうやって冠葉を止めるつもりなのか。
「金が必要なんだ。
それしか陽毬を救う方法はないんだ」
激しいケンカの末に晶馬を殴り倒した冠葉。
「ここまでだな。
これで俺たちの関係も終わりだ。
長すぎたんだ、何もかも!」
「冠葉、何言ってんだ……
兄弟だろ、終わるとかそんなの、あるわけないじゃないか」
「よせ、俺とお前はたまたま同じ日に生まれた、他人だろ」
晶馬の前から立ち去る冠葉。
冠葉はもう兄弟である事を捨てて、ただ陽毬のために生きる事を選んだわけか。きっとそれは陽毬が全部を思い出したのが切っ掛けとなったのだろう。もう兄妹だからという我慢を止めたというところだろうか。
「違うんだよ、始めから。
俺とお前と、陽毬とはな。
晶馬……お前に陽毬は救えない」
「……冠葉」
「陽毬は、必ず俺が救う。
お前は黙って見てろ」
「……待てよ」
傷ついた体で必死に冠葉を追い掛ける晶馬。
冠葉はやはり晶馬に対して強い嫉妬を抱いているんだろうな。
冠葉のの命令で晶馬を嗅ぎ回っていた男はKIGAの会のトラックに追突事故を起こされて殺害されてしまう。
しかし間接的にとはいえ、殺人にまで手を染めてしまっている冠葉はどうするのか。
剣山のいるラーメン屋を突き止めた多蕗は、背後にいる組織の男の存在に気付かずに足を踏み入れ、剣山の白骨死体を発見してしまう。
多蕗は子ども達への復讐は止めたけど、剣山を捜すのは止めていなかったんだね。
店に時籠ゆりも現れる。
「高倉剣山は死んでいたのね……
皮肉ね、ずっと前に私たちの復讐は終わっていたなんて。
手間の掛かる人、随分探したわ。
さあ、帰りましょう。
私たちの家に」
「僕達の家……」
と、そこに現れた組織の男がナイフを手に襲いかかってきた。
果たして刺されたのはどちらなのか。
そして両親は誰に殺されたのか。今後の展開の事を考えれば、ここでゆりの退場は考えにくいからやはり多蕗だろうか。でもむしろ庇うのはゆりの方が庇いそうなんだよな。
冠葉が家を出ていき、晶馬は家族ごっこを終わりにしようと告げる。
「全部僕が悪いんだ。
この家は存在してちゃいけないんだ。
もう家族のフリをしてちゃダメなんだ」
「晶ちゃん」
「このままだとみんなが不幸になる。
陽毬、お前も」
「私、不幸なんかじゃないよ。
だから」
「ダメだ
お前は叔父さんのところで暮らすんだ」
「判った、私叔父さんのところで暮らす」
母親に捨てられて空っぽになった陽毬を家族に迎え入れた晶馬が突き放してしまえば、陽毬は何も無くなってしまう、その事に気づけない晶馬は思慮が足りないのだろう。
晶馬の言葉に従う陽毬は、荷物を纏めると晶馬から貰ったマフラーを晶馬へ返す。
まだ陽毬がマフラーを持っていた事に驚く晶馬。
「これが私と晶ちゃんの絆だったから。
でも返すね、これで私と晶ちゃんは他人だよ。
私ね、本当はあの時から、ずっとずっと晶ちゃんの事」
そして陽毬は家を去っていく。
陽毬の去った後、「ゴメン」と謝り続ける晶馬。
肝心なところでやっぱりヘタレな晶馬。ここは何があっても陽毬を自分の下においておくべきところなのに。そこが何がなんでも自分でやろうとする冠葉との違いだな。
晶馬は眞悧から陽毬の命があまり長くない事を聞かされていた。
薬は使い続ければ効かなくなるのだという眞悧は陽毬が「もう直ぐ死ぬ」と冷酷に告げた。
冠葉は金があれば陽毬の薬を買い続けて、いつか陽毬の病気が治ると信じていたけど、実際には一時凌ぎのものに過ぎなかったんだな。
「さようなら……
私の、運命の人」
一人きりとなった高倉家で、アルバムを見続ける晶馬は、苹果を手にした陽毬の姿を目にする。
すっかりダメダメな晶馬。この晶馬の尻を叩いて陽毬のところへ向かわせるのが苹果の役割になるのだろうか。
苹果はこのまま橋渡しキャラになりそうだな。
冠葉は組織の男たちと密談を続ける。
その背後に陽毬の姿が。
「俺が、お前を救ってみせるからな」
「着いていくからね」
――冠ちゃんと止めなきゃ……
――私の命に代えても!
陽毬は叔父さんのところなんかに行かず、冠葉のところへ行ったのか。ただそれは冠葉を選んだとか、彼に協力するためではなく、冠葉を食い止めるためか。冠葉的にはきっと晶馬ではなく、自分を選んでくれたと思ってるんでしょうけど……
冠葉は昔と同じテロを両親に代わってやるつもりなのか。
ただどうやって止めるつもりなのかが問題だな。まだピングドラムも手に入ってないわけだし。
エンディングテーマ
「魂こがして」歌:トリプルH
10年前。
冠葉の父の葬儀場で高倉家の家族になった冠葉は陽毬と出会った。
「冠葉、やっぱりお前じゃダメだ。
お前を選ぶんじゃなかった。
私は家族に失敗したよ」
そう告げていた父。
「これで痛くないよ」
涙を流す冠葉に、陽毬は絆創膏を貼った。
「あの時誓ったんだ。
俺はお前を……」
何故冠葉は父親に見限られてしまったのか。そして何故冠葉の父親は死んだのか。真砂子の記憶では家を出て行っていたはずだから、家を離れた後に何かあったんだろうが。
冠葉は父親について家を出て行っていたから、高倉の家の子どもになったのかな。
そういや、ダブルHはもう話に直接関わってきそうにないな……
次回 STATION 22
生存戦略、もう引き返せない
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