« 図書館戦争 革命のつばさ レビュー(ネタバレあり) | トップページ | PERSONA4 the ANIMATION -The Factoir of Hope- レビュー(ネタバレあり) »

2012年7月 2日 (月)

劇場版 BLOOD-C The Last Dark レビュー(ネタバレあり)

 【ストーリー】

201X年、冬。
浮島地区で七原文人によって行われていた実験で裏切られていた小夜は復讐のために、彼を追っていた。

浮島での事件から半年。
青少年保護条例によって厳しい規制が行われる東京では、まことしやかに人の喰う怪物の噂がネットに流れていた。
そんな中、とある地下鉄に追っ手から逃れて乗り込んだ男性は、怪物へと変貌して女性客を喰らう。更に他の乗客を襲う怪物から逃げまどう人々。
その怪物から逃げないただ1人の少女、小夜。
小夜の力に逆に逃げ出した怪物は、逃げ遅れた1人の少女を捕らえると、電車から飛び出して逃亡する。

逃げた怪物――古きもの――を追跡する小夜は、遂にそれを追いつめて手にしていた模造刀で頭を叩き壊して息の根を止める。
小夜と救われた少女――柊真奈は、真奈の仲間である松尾伊織と藤村駿と共に怪物の目撃者を確保しようとする組織から伊織の車で逃亡する。
逃げる彼らを執拗に追跡する組織に対して、交通システムをハッキングした伊織たちの仲間であるサーラットの矢薙春乃たちの指示で逃走に成功する。
古きものを知る駿たちサーラットだが、彼らも詳しい事は知らなった。だが、小夜の事を知るサーラットのリーダー・殯蔵人は小夜に七原文人に復讐をしたくないか、と問いかけてアジトへ案内する。

世界的企業セブンスヘブンを実質的に支配する文人は、目的を達成するために都知事やアメリカ大使との会談のため、忙しい日々を送っていた。そんな彼の傍らに秘書として仕える網埜優花は都知事となるための準備を着々と整えていた。
逃亡した古きものが破壊されたとの報告を実行部隊の指揮官・九頭から受けた文人は、次は九頭本人が出るという言葉に、彼らでは手に負えないかもしれないと笑う。
彼は小夜がついに東京へやってきた事を感じ取っていた。

小夜を迎えた殯は浮島地区での事件について、彼らの仲間であった鞆総逸樹からその情報を得ていたのだと語る。
サーラットの一員であった逸樹は文人が支配するもう一つの裏の秘密組織<塔>の全貌を暴くために、あの実験に参加していたのだ。
文人は表に顔を出すことはほとんど無く、殯は私財の全てを投じて文人の居場所を調べあげていた。彼は文人によって『自由』を奪われたため、その復讐をしたいのだという。
サーラットはネットワークを通じて発生したコミュニティーであり、中心メンバーは殯を筆頭に、春乃、真奈、伊織、駿、そして二人いるという凄腕ハッカーの一人・月山比呂の6人。そして都が執行した様々な条例に反対するため集まったネット上に情報提供をしてくれる人々で構成されていた。

文人は自分の獲物である、と宣言して彼らとの協力を受け入れた小夜。
そんな小夜が何故か気になって仕方ない真奈は彼女に何かと関わろうとする。
翌日、小夜は東京の町中にある『願いを叶える店』を訪れる。
小夜を迎え入れる四月一日君尋は、浮島地区で犬を通じて話し掛けていた人物だった。
小夜は彼に闘うための刀を求める。刀を手に入れた小夜に、四月一日は代償は〈対価〉は「戻ってからでいい」と告げる。

東京都は青少年保護条例によって21時以降の未成年の外出は許可無しでは認めなくなっていた。町には監視員がたち、未成年たちを見張る。
ネットも規制が掛けられていた。
全ては〈塔〉が目的を達するためでないか、というのが殯の考えだと真奈は語る。
帰り道で、小夜は監視員より身分証の提示を求められ、彼らを打ち倒して真奈と共に逃走する。

殯は屋敷の地下に隠された一室へと小夜を案内する。
遙か昔に〈古きもの〉と人間との間に交わされた約定『朱食免』
この『朱食免』を取り交わし、〈古きもの〉の存在を隠匿してきた家系、それが殯家だった。
表の殯家と、秘術で殯家を助ける裏の七原家、この両家が〈塔〉を支えていた。
だが、6年前のある日、文人は特殊部隊を引き連れて屋敷に現れると、殯の目の前で『朱食免』を手に入れるために両親を殺害した。
文人に家族を奪われた復讐のため、文人を殺してくれと頼む殯。

文人についての情報を調べる比呂と駿の二人は、文人が彼の出資する私立十字学園へ講演のために訪れる、との情報を手に入れることに成功する。
十字学園は真奈の通う学校であったため、真奈は小夜に制服を貸すと、自ら志願して小夜共にこの講演へ潜入する。
そして講堂で学生達の前に文人が姿を見せたその時、突然警報が鳴り響いて学生たちに避難指示が出る。
外で待機していた伊織や駿は無線が電波妨害にあって内部の様子を掴めなくなってしまう。

逃げ出す学生の中、動かない小夜を見つめて笑う文人に、小夜は怒りを滾らせて斬りかかるも、そこにいた文人は彼が秘術で作り出した偽者だった。
そして一匹の巨大な古きものが小夜に襲いかかる。
古きものとの戦いを繰り広げる小夜だが、小夜を気にして逃げ遅れた真奈を庇った事で腕に深傷を負ってしまう。
傷つきながらも古きものを打ち倒した小夜は真奈と共に脱出を図るが、扉には電子ロックが掛けられており、小夜に九頭が襲いかかる。
実力では九頭に勝る小夜だが、彼女に人である九頭を殺す事は出来なかった。
「だから誰も守れない」と笑う九頭は、電子ロックを解除した真奈に剣を突きつけ、小夜を討とうとするが、そこに伊織たちが車で飛び込んできて二人を無事救出する。
だが、文人は計画通りに小夜の血を手に入れていた。
全ては彼の目的に必要な小夜の血を手に入れるための罠だったのだ。

偽情報を掴まされた事に落ち込む比呂だが、小夜は彼女がわざと偽情報を流したわけではないと責める事はしない。
小夜に批判的だった伊織も、真奈を守って傷を負った小夜を見直す。そして比呂は真奈が電子ロックを解除した事に驚く。
その小夜は病院へ行く事は拒否するが、小夜を案ずる真奈はもう誰も自分のせいで失いたくないのだと語る。
自分の傷が既に治り掛けている事を見せて、真奈を安心させる小夜。
真奈は小夜に自分の過去について語り出す。
早くに母を失い、父子家庭に育った真奈。真奈の父は新聞社に勤めており、ある日、セブンスヘブンについて記事にしようとした。だが、上から圧力が掛かり、取材は中止される事となった。
それでも諦めずに独自に調査を続行していた父の力になろうと、得意のパソコンを使ってセブンスヘブンのネットワークにハッキングして、セブンスヘブンを通じて多くの人々が〈塔〉へ送られて行方不明になっている情報を突き止めた。
その情報を手に、文人に面会することとなった父だが、父はその日を境に戻ってこなかった。
以来、真実を知るのが恐ろしくて、真奈はネットワークを介して調べる事もハッキングする事も出来なかった。

自分が信じて決めたことに向かって生きる小夜の生き様を感じ取った真奈は、逃げる事を止めてハッキングする事を決意する。サーラットに二人いる凄腕ハッカーのもう一人とは、真奈の事だった。比呂は真奈に教えられてハッキング技術を手に入れており、その実力は真奈に遠く及ばない。
比呂や駿と共に夜を徹してハッキングを行う真奈。
そんな真奈に珈琲を差し入れる小夜に、真奈は殯が自分たちのために入れてくれた珈琲であり、小夜にも飲んで欲しいと語っていた事を告げる。
真奈の心に触れ、これまで彼らの出すものにも口を触れようとしなかった小夜が珈琲を飲む。
と、その時、遂に真奈は文人たちの拠点を発見する。

文人は東京湾の埋め立て地にあるビルに身を潜めていたのだ。
衛星写真をも書き換えてカモフラージュしていたそのビルへと侵入を図ることになる小夜。
小夜は真奈たちのバックアップを受けながら、〈塔〉の本拠地へと侵入を図る。そんな彼女の侵入を事前に察知していたかのように、迎撃態勢を整えていた。
文人の下へ向かう小夜の前に立ちはだかる九頭。
腕を切り落とされながらも、人である彼を殺すことは出来ない小夜。
だが、九頭は文人の指示である物体を頭へと張り付けると、人から〈古きもの〉へと変化し、敵味方構わずに襲い始める。

彼を打ち倒して、文人の下へ向かう小夜、だが小夜を映し出すモニターに囲まれた部屋に辿り着いた小夜は、全身から力が抜けて倒れてしまう。
辛うじて意識を留める小夜の前に、文人の仲間だった人物が姿を見せる……

・キャスト
小夜:水樹奈々
七原文人:野島健児
殯蔵人:神谷浩史
柊真奈:橋本愛
松尾伊織:中村悠一
藤村駿:梶裕貴
月山比呂:花澤香菜
矢薙春乃:甲斐田裕子
四月一日君尋/犬:福山潤
九頭:諏訪部順一
網埜優花:浅野真澄

・Youtube動画


 【感想】

かなり中途半端で終わったTVアニメの完結となる劇場版。
やはりというかなんというか、この作品はBLOODシリーズではなく、CLAMP作品として見るべき代物です。
ある意味でBLOODシリーズの黒歴史とも言えるかもしれない。
BLOOD+が良作だっただけに、余計にこの作品のダメさが光るのかもしれないが。
なんというか、終わった後に劇場に漂う微妙な空気はどうしたら良いのか。

真奈役にはモデル・女優の橋本愛が器用されていて、微妙に棒なのが気になって仕方がなかった。
なんでこんな微妙なキャスティングをしているんだろう。正直客を呼べるほどメジャーな人物でもなく、声優としての実力があるわけでもないのに。

犬の正体は大方の予想通りに四月一日だと判明したわけですが、ハッキリ言って必要なかったよね!
別に彼である必要性はまったく無かった。ただのCLAMPのオナニーでしかない
四月一日は作中で自分も小夜と同じく長い年月を生きているから、彼女の気持ちが分かるとか言ってたけど、ホリックの世界ってそんなに昔だっけ? 正式な年月は描かれていなかったと思うけど、BLOOD-Cは201X年なので、何十年も経過しているとは思えないんだけど。

CLAMP大好き東京タワーは流石に出てこなかった。
BLOODシリーズだからという事で控えたのか、それともスカイツリーが出来たので、今後はあっちに変わるのかな。
正直、実は文人の隠れ処は東京タワーの地下にある、とかそんな展開にならないかと不安だったよ。

無駄にお風呂シーンでサービスシーンを作ったりしてる謎。

ラストの展開のショボさはなんとかして欲しい。
正直言って、小夜の苦戦というのが全く感じられない展開だった。
文人の目的もかなり微妙。
世界を手に入れようと考えたけど、世界のちっぽけさに気付いて、小夜に魅入られてしまった。その小夜は〈古きもの〉を狩る事で、本当の喜びを得られる、と感じた文人は、どんどん数が減っている〈古きもの〉を増やすために、人間を〈古きもの〉に変貌させる実験をしていた、というオチで、とどのつまりは小夜に惚れて彼女のために全部やっていたよ、という感じか。
で、彼女のために用意したというとっておきのダイダラボッチもどきは瞬殺だし……
てか、九頭はなんのために古きもの化したのか我からないんだけど……ただやられるためになったようにしか見えない。

冒頭で小夜が使い捨てた刀はどこかで盗んだ模造刀だったらしい。
やけに簡単に刀を捨てていくと思ったら、そういう事だったのね。
そしてその冒頭で真奈を攫った〈古きもの〉は、何故真奈を喰い殺さず、連れて逃げていたのかと最初から疑問だったのだけど、終盤に判明。
彼女の親父さんだったからなんだね。てか、クレーンか何かの上で叫んだ時、確実に真奈を落としていたけど、あれ、普通に考えると地面に落ちてるんですけど……

裏切り者だった殯は、まぁ予想の範囲内かな。
あまり驚きも無かった。要所要所で結構怪しかったからね。
そんな彼はただの器の小さい男で、実に憐れなラスト。小夜が真奈たちの下に戻らなかったので、彼が裏切り者だった事をサーラットのメンバーは知らず仕舞いですが。
彼が死んで朱食免が消失したことで、古きものは人間を襲わない、という約定から解放されたのかな。小夜の人間を殺せない呪いは解けなかったみたいだけど。

優花の実年齢は28歳。10歳以上もサバ呼んでいたのか……
しかし彼女は文人がいなくなった後でどうやって都知事になれたのだろうか。
文人という後ろ盾が無くなっては、それまで作った人脈などもほとんど使えなくなっていると思うのだけど。

実は一番美味しかったのは春乃と結婚直前までこぎ着けた伊織なんじゃないのか……

個人的評価:60点

■トラックバックが飛ばない場合には別館(http://libra1974.blog86.fc2.com/)

にほんブログ村 映画ブログへ ←良かったらクリックして下さいアップ

映画 感想 レビュー

|

« 図書館戦争 革命のつばさ レビュー(ネタバレあり) | トップページ | PERSONA4 the ANIMATION -The Factoir of Hope- レビュー(ネタバレあり) »

BLOOD」カテゴリの記事

アニメ・コミック」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

小夜は金儲けに利用されてるだけ。客はウソの愛に騙され金を搾り取られてる。CLAMPは本当は小夜が大嫌い。シリーズ化する価値ゼロ。上映館数の少なさがシリーズに対する社会の評価だと気づけ。

投稿: 目を覚ませ! | 2012年8月14日 (火) 22時49分

>目を覚ませ!さん
シリーズ化とCLAMPが小夜を好きかどうかは関係ないと思いますよ。
CLAMPはBLOOD-Cの担当であって、BLOODシリーズの担当というわけではありませんから。
BLOOD-Cがシリーズ化するという事はないでしょうし。
今後のBLOODシリーズはまた別の人の担当だと思います。
今回はテレビ版を完結させずに、劇場版で最終回にしただけという事ですし。

投稿: 黒虎 | 2012年8月17日 (金) 02時10分

小夜は古きものを狩ることで喜びを得るのではなく 古きものの血肉でしか餓えをしのげないからでは?

投稿: そこは… | 2013年3月 1日 (金) 06時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528088/55099780

この記事へのトラックバック一覧です: 劇場版 BLOOD-C The Last Dark レビュー(ネタバレあり):

» TV放送時に流してほしかった(劇場版PERSONA4とかアメイジング・スパイダーマンとか) [アニヲタ、ゲーヲタの徒然草(仮)]
【LUPIN the Third ―峰不二子という女― 第13話(最終話)】これまで登場していたアルメイダ伯爵の正体と、一連の不二子騒動の黒幕、の巻。峰不二子が(本物の)アルメイダ伯爵から直 ... [続きを読む]

受信: 2012年7月 4日 (水) 12時11分

« 図書館戦争 革命のつばさ レビュー(ネタバレあり) | トップページ | PERSONA4 the ANIMATION -The Factoir of Hope- レビュー(ネタバレあり) »