« フリージング ヴァイブレーション Episode12(最終回)「Shaft of Light」 | トップページ | 生徒会役員共* 第1話「また桜の樹の下で/ねむねむの季節ポロッ/ねこをかぶったオオカミ」 »

2013年12月30日 (月)

〈物語〉シリーズ セカンドシーズン #26(最終回) 恋物語 第恋話「ひたぎエンド 其ノ陸」

貝木泥舟の語った阿良々木暦、戦場ヶ原ひたぎ、忍野忍が死んだ、という嘘を千石撫子はあっさりと「嘘」と見抜いた。
それは彼女が最初から貝木の事を信用していなかったからに他ならない。
心の闇どころか、誰一人として信用しない闇の心を持つ撫子の本質を見抜き切れていなかったが故の失敗。
撫子の闇の深さを読み間違えていたのか。

北白蛇神社にあふれかえる白蛇。
その中に佇む撫子の姿に、貝木は「美しい」と感じる。

この世の中は嘘ばかりだという撫子に、貝木は彼女が神になっていても誰の願いも叶える事は出来ないと断ずる。
可愛い撫子が嫌いだ、とひたぎに言われた撫子。
彼女自身もそんな自分を嫌いだが、どうしようもない。だから神様にでもなるしか無かったのだという撫子だが、貝木は彼女が神になっても何も変わってはないのだと告げる。
可愛いと言われる事は撫子にとっては苦痛だったわけだから、それ以外の者になりたかったのだろうけど、そうする手段を知らなかった。そこに神様になる、という方法が舞い込んできたから飛びついてしまったのかな。

しかしひたぎは神様に救われる事を拒み、楽になれること、幸せになれる事を拒絶した。
貝木はそのままの方が良いと思っていたが、彼女はそれらを全て否定した。
貝木は蟹にとりつかれたことはひたぎのためになると考えていたけど、本当はそうではなかったんだな。

撫子は自分との違いを認めた上で、それでも誰かのせいではあり、撫子の場合は忍野扇のせいであると語る。
初めて耳にする扇の名前。そこで貝木は初めて臥煙伊豆湖が暦を神にしようと用意したお札を手にするようにし向けた人物がいた事に気づく。
扇の事は撫子しか知らないから、さすがにバサ姉も伝えていなかったのか。
まぁ、貝木に確認していたから、関与の可能性は見抜いていたんだろうけど。

自分を騙したペナルティとして、暦たちだけではなく、他の者たちも殺そうと言いだした撫子。
神原駿河の名前を出した撫子に対し、貝木は彼女が「漫画家」になりたかったのかと指摘する。
途端、激しく取り乱した撫子。
撫子が誰にも見られないように隠していたクローゼットに隠していたもの、それは彼女が描きためたちょっとHなラブコメ漫画の数々だった。
撫子の夢は漫画家だったのか。ただそれを暦にも隠していたのは、やはり彼女が誰も信用していなかったから、その夢を誰にも話す事が出来なかったのかな。
しかし『キミとなでっこ』が撫子の描いた作品なら、十分にプロとして通用できる画力だな。かなりこっぱずかしい内容だけど、少女漫画だと普通に存在するし……
貝木にとってやはり駿河はひたぎとは違う意味でちょっと特別な存在なんだね。

貝木を殺して自分も死ぬとまで取り乱す撫子だが、貝木はいずれ撫子の両親がクローゼットを開けてしまうと指摘。
しかし今すぐ神様を止めて人間に戻れば、それを阻止できると告げる。
そんな理由で神様を止められるはずないと否定する。
あの両親が本当にクローゼットを開けると考えているのかどうかは判らないけど、一般的な考えなら親ならそうしても仕方ないからね。
漫画を見つけられるのが恥ずかしいから神様止めるとか、普通の理由では考えられないけど、そもそも成り行きでなった神様なんだから簡単に止めても大した問題ではないだろうね。。

だが撫子はそもそも神様になりたかった訳ではない。
幸せでも不幸せでもない、普通でいたかったはずだった。

自分の描いた漫画は漫画と呼べるような代物ではなく、ただの落書きでしかなく、恥ずかしかったから捨てられなかっただけだと否定する撫子。
貝木は創作とは恥ずかしいもので、夢も恥ずかしいがそれは仕方のないこと。ただ、自分自身で卑下するべきものではないと告げる。
才能があるのではないかという貝木に、なろうと思ってなれるものではないと否定するも、貝木はなろうと思わなければなることは出来ない、神様ではなく人間でなければなれないと諭す。

お金が好きだという貝木。
お金があれば何でも買えるが、掛け替えのないものでもない。
逆に掛け替えのないものが嫌いだった。
貝木の場合はそれが自分の枷となってしまうのが怖いのか。それを失う事が怖いのか。お金で買える程度のものがちょうど良いと感じてるのかな。

暦に振られたら全てが終わってしまうのか。
撫子にももっと他にやりたい事やしたい事はもっと他にあったはずで、暦以外にももっと大切なものがあったのではないかと訴える。
撫子は自分の全てを捧げるほどに暦を本当に好きだったのか、という疑問があるんだろう。

自分のことなど何も知らないはずだという撫子の言葉を肯定する貝木は、彼女の事は彼女にしか判らない。だから彼女の事は彼女しか大切に出来ず、夢も彼女にしか叶えることが出来ない。
そもそも夢なんてものは、本人以外にはどうしようもない事だからね。

自分の賽銭で本格的な画材でも買いに行けという貝木。
なりたくてなった神様ではないが、神様になった事を捨ててしまうのも勿体ないと感じる。
「でも……漫画を書いて神様って呼ばれた人もいたよね。
 勿体ないって思うなら、そうなれば良いんだよね」

「ああ、おまえならそうなれるさ。
 騙されたって思って、チャレンジしてみな」

「判った、騙されてあげる」
撫子だって絶対になれるという保証なんて無いのは承知の上で、それでも可能性のために敢えて騙されて人間に戻る事を選択したのか。

撫子が人間に戻ることを受け入れた直後、神社に暦が現れてしまった。
暦に対して貝木は臥煙伊豆湖に頼まれてゴーストバスターとしての仕事にやってきたのだと嘘を吐く。
蛞蝓豆腐』という偽物の怪異を植え付けることで、彼女に世の中にぬらりくらりと生きる事を出来るようにしたのだという。
撫子の中に手を突っ込む貝木に気色ばむ暦に、貝木は「おまえに千石のために出来ることはないもない」と押しとどめると、撫で子の中からお札を取りだして人間へと戻した。
最後の最後で暦登場。間が良いのか悪いのか。まぁ、説得の最中に現れなかっただけ御の字か。しかしひたぎもこの日は貝木が来ている事を知ってるんだし、暦の足止めぐらいはしておこうよ。
撫子が嘘を見抜いた時に、人間に戻す方法も貝木の中では考えていた手段なんだろうね。もちろん相当の危険を伴う方法だったわけだけど。
周りからちやほやされ続けた撫子は当たり前の事を回りの大人から教えてもらう事が出来なかったんだろうね。

ひたぎの依頼の件を隠す貝木は、自分がこの町にいる事がひたぎにばれたら殺されるからと立ち去ることにする。
今後撫子に関わるなと暦に忠告する貝木。
自分のせいで神様となってしまった撫子を放っておけるはずがないと拒絶する暦だが、貝木はひたぎは暦の存在によって強くなったが、撫子は暦によってダメになるだけであるから、彼に出来る事は何もないと指摘する。
撫子にとって暦は毒になっても薬にもならないから、撫子には関わらない方がいいんだろうな。

ひたぎに電話で結果を報告した貝木。
2年前、本当にひたぎが貝木の事を好きだったと思っているのか、と問いかけるひたぎ。

ホテルに投げ込まれていた手紙の差出人はひたぎだった。
天の邪鬼な貝木の性格を見越した上での事だった。
伊豆湖がどこまで見抜いていたのか判らない。彼女であればね貝木の性格など周知で、ただの資金援助だったのかもしれない。
実際、何でも知ってる伊豆湖が貝木が引き下がらない事を見抜けないとも思えないしね。

忍野メメが今回の一件で見つからなかったことを疑問に感じる貝木。
その時、貝木は何者かに刺されてしまう。
犯人は貝木がこの町で騙した中学生の一人。忍野扇から貝木が町に戻っている事を知った彼は、呪い替えしを受けており、おそらくは撫子にまじないをした少年である可能性が高かった。
まぁ、呪いを掛けたのも、その返しを受けたのも自業自得でしかなく、完全にただの逆恨みなんだけどね。
貝木を尾行していたのはこの少年ではなく……
扇が尾行していたらしい。撫子を人間に戻してもらっては困ると考えていたのか。
色々と暗躍しているらしい扇に関して決着が付くのはまだ先の話なんだろうね。
貝木が主役と言える今回のお話。ラストは刺されてしまったわけだが、死んだのかどうかははっきりしないまま収束。
死んだ可能性が高そうだけど、死んだとは限らないわけで。
しかし彼の疑問通り、メメはいったいどこで何をしているのか。今後もう一度ぐらいはどこかで出てくるのかな。

■トラックバックが飛ばない場合には別館(http://libra1974.blog86.fc2.com/)
にほんブログ村 アニメブログへ ←良かったらクリックして下さい

アニメ 感想 レビュー

|

« フリージング ヴァイブレーション Episode12(最終回)「Shaft of Light」 | トップページ | 生徒会役員共* 第1話「また桜の樹の下で/ねむねむの季節ポロッ/ねこをかぶったオオカミ」 »

化物語」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 〈物語〉シリーズ セカンドシーズン #26(最終回) 恋物語 第恋話「ひたぎエンド 其ノ陸」:

» 物語シリーズ セカンドシーズン 第26話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」 [破滅の闇日記]
化物語PRODUCTION NOTE -characters- 新装版(2014/01/23)不明商品詳細を見る  貝木泥舟が主人公をやりきりました。殴られ蹴られながらも、必死に説得する。阿良々木暦と似たようなことをしていました。内向的な女子中学生の精神で、神様が暴力を振るいまくる。痛そうであります。こちらは大人キャラということで、嘘に本心を含ませて説得しています。後で本人さんが肯定して...... [続きを読む]

受信: 2013年12月30日 (月) 08時41分

» 物語シリーズ セカンドシーズン TokyoMX12/28)#26終 [ぬる~くまったりと]
第恋話 最終回 ひたぎエンド 其の陸 千石撫子は心を閉ざしていた。闇の心だった。皆嘘つきばかり、本当に嘘ばかり。大量の蛇が周りに溢れる。 お前だって嘘を言ったことはあるだろう。嫌いだって言われた、私みたいな可愛いガキは。そんなこと言われても自分ではどうしようもない。もう自分を自分で好きになるしかない。自分が神様になるしかない。お前はお人形さんだ、今も昔も。 誰かのせいにするしかない。私の場合、扇さんの所為ということはあるのだから。貝木さん「も」、他の誰かも騙したのか?これは罰だから、もう少し暦お兄ち... [続きを読む]

受信: 2013年12月30日 (月) 09時44分

» 『<物語>シリーズ セカンドシーズン』#26「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」 [ジャスタウェイの日記☆]
「生きてりゃそのうち、いいことあるんじゃねぇのかよ」 地獄の沙汰も金次第… 「本当、もう嘘つき。みんなみんな本当に嘘ばっかり」 暦と戦場ヶ原が事故にあって死んだと嘘をつこうとした貝木だったが、 あっさりその嘘はバレてしまった… 足しげく撫子の元に通ったものの、どうやら信頼は得られなかったのらしい。 さて、これからどうするか… 「恋物語 ひたぎエンド」完結です!... [続きを読む]

受信: 2013年12月30日 (月) 10時17分

» 物語シリーズ セカンドシーズン 第26話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」 [空 と 夏 の 間 ...]
恋物語、完結編。 セカンドシーズンは、ひとまず終了となりますが… また気になる引きで続編が気になりますね(笑) 千石撫子を騙しにかかる貝木。しかし撫子は意外にもあっさりと貝木の嘘を看破、 大量の白蛇で攻撃してくる。 瀕死の詐欺師の舌が最後に吐くのは、嘘か、まことか――。   ... [続きを読む]

受信: 2013年12月30日 (月) 11時20分

» ここに来てのAGEのオマージュ(【シリーズ セカンドシーズンとかヴァルヴレイヴとか) [アニヲタ、ゲーヲタの徒然草(仮)]
年内の更新はこれでおしまいですかね。12/31の「ソードアート・オンライン」特番の感想をどうしようかと迷いましたが、さすがに放送終了後から年明けまでの2分間でUPするのは無理( ... [続きを読む]

受信: 2013年12月31日 (火) 01時56分

» <物語>シリーズ セカンドシーズン 第26話(終) 『恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸』 クローゼットの秘密が明らかに、そして衝撃のラスト。 [こいさんの放送中アニメの感想]
説得開始。貝木の嘘は最初から見ぬかれていたというより撫子ハナから全然信じていなかった。という事で海ヘビならぬヘビの海に飲み込まれそうになる貝木。正直こんな死に方はしたくありませんね。いきなり失敗したかと思ったのですが、ここからが貝木の真骨頂。まるで阿良々木のごとく説得を始めました。 お前、漫画家になりたいのか。言った途端に(゚Д゚)ハァ?ってなりました。どこからそんな話が出てくるのか。クローゼットの中でした。撫子がひた隠しにしていたのは、こっそり漫画を書いていたというもの。 それも... [続きを読む]

受信: 2013年12月31日 (火) 09時53分

» 物語シリーズ セカンドシーズン 第恋話 「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」 [つれづれ]
 さすが貝木といったところでしたが…… [続きを読む]

受信: 2013年12月31日 (火) 22時34分

» <物語>シリーズセカンドシーズン 第26話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」(終) [こう観やがってます]
切り札を残しておくあたり、一流である。 騙せなくても負けはなかったわけだ。 つーか阿良々木が来る時点で騙せても意味なかったじゃん的な? 恋物語 (講談社BOX)(2011/12/21)西尾 維新商品詳細を見る 以下シリーズセカンドシーズン 第26話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」(終)の感想 ... [続きを読む]

受信: 2013年12月31日 (火) 23時04分

» 恋物語 #26 [桜詩〜SAKURAUTA〜]
【ひたぎエンド 其ノ陸】 恋物語 第一巻/ひたぎエンド(上)(完全生産限定版) [Blu-ray]出演:神谷浩史アニプレックス(2014-06-25)販売元:Amazon.co.jp 貝木さん大ピンチ!?  [続きを読む]

受信: 2014年1月 2日 (木) 02時30分

» 物語シリーズセカンドシーズン 最終回「ひたぎエンド 其ノ陸」 [明善的な見方]
傾物語 第ニ巻/まよいキョンシー(下)(完全生産限定版) [Blu-ray]『分かった、騙されてあげる♪』 原作:西尾維新 キャラクター原案:VOFAN 製作会社:シャフト 監督:新房昭之 阿良々木暦:神谷浩史    羽川 翼:堀江由衣   戦場ヶ原 ひたぎ:斎藤千和 忍野 忍:坂本真綾   八九寺 真宵:加藤英美里   神原 駿河:沢城みゆき 千石 撫子:花澤香菜  ...... [続きを読む]

受信: 2014年1月 2日 (木) 21時16分

» 物語シリーズ セカンドシーズン 第26話(最終回)「恋物語 ひたぎエンド其ノ陸」 感想 [気ままに歩く〜Free Life〜]
様々な恋の形。 だいぶ遅くなりましたが、書かなくちゃいけないと思ったので。 鬼の時と同様、統括で失礼します。 [続きを読む]

受信: 2014年1月 6日 (月) 19時32分

» 物語シリーズセカンドシーズン 第26話(最終回) 「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」感想 [コツコツ一直線]
2クール続いた化物語セカンドシーズンもいよいよ最終回。前回とうとう撫子に嘘がバレてしまった貝木。貝木はそれでも説得を続けるのでしょうかhellip;?撫子の絵やら結末やら、色々衝撃的な最終回でした〜。きっと明日、花物語が爆売れするはず。... [続きを読む]

受信: 2014年1月 9日 (木) 21時39分

» 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』 第26話<完>の感想と考察 [オレが面白いと思っているアニメやマンガは、本当に面白いのか? |『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』 第26話<完>の感想と考察]
『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』 第26話「恋物語 ひたぎエンド 其ノ陸」を観ました。<ストーリー>貝木の嘘は、なんともあっさりと撫子に看破された。 [続きを読む]

受信: 2014年1月11日 (土) 15時49分

« フリージング ヴァイブレーション Episode12(最終回)「Shaft of Light」 | トップページ | 生徒会役員共* 第1話「また桜の樹の下で/ねむねむの季節ポロッ/ねこをかぶったオオカミ」 »